「日本の人形芝居・人形浄瑠璃と竹田人形」展は関内の人形の家で開催されていた。令和6年2024年3月2日(土)2時ごろ、人形の家につき、階段を上り2階が入り口となり、そこでもぎりがあって、さらに3階に向かった。たくさんの竹田の人形やひな祭りの人形があったが、人形浄瑠璃の人形は2体しかなく、これを見たいと思っていったので、すこし残念であったが、人形を使っているビデオで公演の内容があり、それは先日見た乙女文楽の一人使いと同じ方法であった。人形浄瑠璃を見ているだけで、感情移入がされ、喜怒哀楽が感じられるのは不思議なものだ。
世田谷区民文化祭 郷土芸能大会は人形展の翌日であるが、2024年3月3日(日)13:20~14:45に世田谷区民会館玉川せせらぎホールに伺った。公演は本当は朝の10:30から夕方の16:45まであるのだが、出入りが自由なので、私は、次の6.船橋囃子保存会の途中、7.駒留お囃子若駒連、8.喜多見楽友会(里神楽)、9.安宅囃子保存会であった。駒留の獅子舞は、子守歌も入っていて、隣の驚神社の獅子舞の一部とそっくりで、演技が上手で、見入ってしまった。里神楽の話は、擬き(もどき ひょっとこ)と恵比寿さんと大黒天が出てきて、ひょっとこは小さな蛸を釣り、恵比寿さんは大きな金目鯛を釣り最後は大黒天が打ち出の小槌をふり、そこから小判風のものがたくさん出てきて、それを観客にばらまいて終わるというたのしい内容になっていた。また笛の人は二種類の笛を持ち替えて演奏していた。結構高度だった。安宅獅子保存会のものは、お囃子の名前は、鎌倉・国固め・師調目など驚神社のものと同じ名前であったが、曲の内容は異なっていた。ただし曲の雰囲気は似ていて、多分ルーツは同じで、お囃子の場所が異なるため、移動するたびに少しずつ変化したように感じた。またこの場面は太鼓は子供がたたき、次の獅子舞は大人がたたく形になっていて、世代が長く続いていることを感じる。ただ獅子舞そのものは駒留よりすこし荒くできている。ただ子守歌のところは、曲は同じであった。タイトルに「人と人とつなぐ世田谷伝統の祭囃子」とあるが、正確には「地域の人と人を繋ぐ云々」と思われる。音楽の基本的な役割で、今の世の中にはお囃子にはそのような役割が少なくなってきているので、復活したいという気持ちも感じる。
この玉川せせらぎホールは、おおよそ400名収容の座席があり、ほぼ10列分はロールバックチェアー(可動椅子)が設置された状態で、残りの約5列は置き椅子であるが、単なる平土間にした場合には、別の公演内容ができる状態に変化する。客席の大きさは椅子の配列から考えると幅約20m、奥行きも約20m、天井の高さはほぼ8mで、適度な響きと音の拡散性がある。音楽には多分ちょうどよい音響状態と思われる。とくにお囃子の篠笛がよく響ききれいに聞こえた。さらにこの建物は区役所とホールが合体しており、人が多く集まることなどから免震構造がとられている。いい建物だ。
写真:世田谷区役所および玉川せせらぎホールの建物外観
写真:免震構造で地震の揺れを吸収するスペースが設けられている。