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2012/06/28

渋谷ヒカリエ シアターオーブ見学



6月20日午後から、渋谷ヒカリエの劇場「シアターオーブ」の見学会がありました。とても印象的な劇場でした。まず渋谷駅から直結していること、吹き抜けているホワイエからの景色が素晴らしいこと、その吹き抜けを窓にそってエスカレータで登っていくこともドラマチックでした。客席は約2000席ですが、非常に舞台が近く、パンフレットによれば最後尾で28.8mしかありません。3階席の後ろから見ても確かに舞台が近く感じます。舞台の幅が20mとすると、客席の幅は25~26mではないかと思われます。客席幅が少し広いですが側壁からの反射音がエコーにならない距離で、いわゆるシューボックスタイプの劇場となっています。また舞台が畳1畳分の分割されたパネルからできていて、取り外しが可能で、どこにでもセリが設置できる。この舞台や客席の形状は、昨年オープンした神奈川芸術劇場(1300席)とも雰囲気が似ており、現在の舞台技術の最先端であると感じます。

客席の形状として、音楽ホールではシューボックスタイプとワインヤードタイプの2つのタイプが知られています。ワインヤードタイプで劇場を作る場合には、コンサートホールと同様、初期反射音をどう作り出すかが重要になってきます。初期反射音に補強され音声が力強く聞こえつつ、舞台から客席最後部までの距離を短くできる可能性が出てきます。ギリシャ劇場の形で、客席に段々畑をつくって初期反射音をもたらすような形です。ただし舞台の形は出舞台となり、プロセニアムタイプとは違ったものになります。この形は舞台が観客席と一体化する可能性もあると感じています。



吹抜けとエレベーター


ホワイエの窓


3階席から舞台を見る



舞台方面から


舞台のパネルをはずして