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2015/11/26

Codex Barbèsのライブ

弊社のアントニオが、最近和太鼓を習い始めました。以前にYABが音響設計を担当させていただいた祐天寺にある浅野太鼓の和太鼓教室「太鼓の里 響和館」です。

彼の和太鼓の梅村先生が参加しているバンドのライブがあるということで、11/20六本木「新世界」というライブハウスに行ってきました。

Codex Barbèsというバンドです。




Codex Barbèsの演奏は夜の9時からで、8時半にライブ会場に行った際には別のバンドが演奏中でしたが、すでにフロアは立ち見で一杯、地下の会場へ降りる階段の途中も、お客さんで埋まっている状態でした。

バンドはトロンボーン3台、琴のようなキーボードのような楽器(Chapman Stick)、そして和太鼓が2名という編成です。

音楽はゆったりとしたトロンボーンの旋律の中に和太鼓の低い音や歯切れの良いリズムが通奏低音にように一体化します。何だかアフリカの音楽の様な、または日本からヨーロッパ・アメリカまでを含めたどこかの音楽、時・空間の広がりを感じる素晴らしい音楽と感じました。演奏者の説明では、これはダンス音楽なので、会場は狭いけれど体を動かしてくださいとのこと。和太鼓のリズムが心地よく自然と体を動かします。
まだこのバンドのライブは2回目とのことで、またぜひ行ってみたいと思います。

YouTubeの動画の音をパソコンのスピーカーで再生しても、和太鼓の低音は聴こえません。できればヘッドフォンを着けて聴いてみてください。しかし和太鼓の本当の音は生で聴かないとわからないものです。




2015/11/25

バンドン工科大学(ITB)

11月9日から14日、今年6回目のバンドンに行きました。今まで何回かブログでバンドンの紹介をしましたが、今回はバンドン工科大学(Institute of Technology Bandung)についてです。

バンドン工科大学は設立が1920年、インドネシアで最もレベルの高い大学のひとつです。歴史を感じる記念碑的な木造校舎もあり、中央には花が咲き乱れている広場があります。学生たちはその広場に面するところでくつろいでいます。



学生たちがくつろいでいます

木造校舎

木造校舎

木造校舎

木造校舎内部

現在新校舎4棟がほぼ完成し、その中の1棟(写真)には音響実験施設があります。総合監理は八千代エンジニアリング、弊社はそこから依頼を受け、音響実験施設の監理を担当しました。現在、建物はほぼ完成し、現在竣工検査を行っている段階です。建物はいずれも吹き抜けの多いダイナミックなデザインです。弊社は、今回は音響実験施設の内、残響室、それに隣接する無響室および半無響室の残響時間、逆二乗則の測定を行いました。いずれも良い結果が得られています。

無指向性スピーカーによる無響室の測定

抱き合わせスピーカー

パイプスピーカー




残響室の測定

新校舎のうち音響実験施設がある棟


測定メンバー


風景の記憶、音の記憶、騒音の記憶、記憶の騒音

美しい景色、印象的な場面を「目に焼き付ける」などといいます。記憶に残った風景は、目を閉じても見ることができたり、時間が経ってもそのまま思い出すことができたりします。

音でも同じことがあります。
印象に残る音は、後になっても聞いた当時の記憶や感情を伴って思い出されたりします(私は、昔ニューヨークで夜中ずっと聞こえていたパトカーのサイレンの音を、今でも不安な気持ちとともに思い出すことがあります)。

音の記憶。それらは通常は記憶と現在が区別されています。ただ、最近、記憶の中の音が、現在も起こっているかのように感じる現象もあるのではないかと感じています。騒音の仕事をしている中で、他人には聞こえない音で、さらに騒音計で測ってもわからない音というものがあります。例えば、体の外部には存在しないけれど本人には聞こえる音の場合、まず「耳なり」があり、それから「体の内部で発生している音(息、心臓、血流など)」という場合もあります。あまりにも静かだと、そういった音が聞こえる場合もあるのです。そしてそれとも違いそうな原因不明な場合。これは一般的な定義はありませんが、可能性として「記憶の騒音」という現象なのではないかと最近思っています。

2015/11/05

再びバンドン

10/1、再びバンドンに行き、10/6朝に羽田に帰国しました。

10/2(金)に打ち合わせがあり、翌日が土曜日だったので、土曜日曜とバンドンの休日を楽しみました。

ホテルがアジア・アフリカ目抜き通りに近いため、散歩をするには好立地です。通りを歩いていると、10名ほどの子供たちの団体がいて、そのうち一人が私に興味を持ってくれて英語で話しかけてくれました。
彼らの街を案内してくれ、大道芸人と写真を撮ったり、またバンドン会議の場所に行ったり、モスクのタワーのてっぺんのネギ坊主まで行ったりしました。子供たちと別れてからバンドン会議で首脳陣が宿泊したサヴォイホテルでランチを食べていたら、LONBOK SUMBAWA (ロンボク島、スンバラ島) FESTIVALというポスターがあり、ウェイトレスに聞いてみると日曜日の夜にバンドン会議場の脇の広場で開催されるとのこと。その日、夜8時ごろに行ってみました。
特設ステージにはガムランの楽師が20名ほどがいて演奏が始まっており、舞台の前にはテントが張られ、そこに来賓用の丸テーブルが置かれていて、プロのカメラマンがゲストの撮影をしていました。



その中の一人、挨拶に立ちあがった方はバンドンの市長さんでした。その後、音楽やダンスが行われ、最後のダンスでは踊り手が舞台から降りてきて市長たちを誘い、観客らと一緒に踊りが始まりました。






舞台と観客席の構造は、舞台の前に来賓が座り、その周辺に舞台と来賓を取り囲む形で観客(私もその一人です)が立って見ていました。この形は16世紀末のテアトロオリンピコの公演の形で、舞台には楽師と俳優がいて、オーケストラピットに賓客がいて、その周辺に一般の観客がいる原初的な劇場の形と似ていると感じました。このようなわくわくする雰囲気は、劇場の設計にも必要なものと感じました。

このように市長が来るようなイベントも広場で行っているので、前回のブログでも書きましたが、劇場と言われるものはここバンドンにはないようです。でも、このホテルの1Fロビーも含めて、ホテルの周りのほとんどのレストランには、数人のバンドが入って、お客さんに聞かせています。とても芸能文化は盛んであると感じました。