2017/10/24

荏田宿のお祭り(2017)

昨年3月、地元荏田宿のお囃子の復活を目指して、お隣町の驚神社の宮元囃子連の指導を仰いで始めた練習も、ほぼ1年半が過ぎました。昨年のお祭りでは、お囃子の4曲の内のはじめの1曲目、破矢のみで参加しましたが、今年は4曲、「破矢」、「鎌倉」、「くにがため」、「四丁目」を篠笛で練習し、完璧ではないのですが参加することができました。後はひょっとこ踊りの伴奏の「いんば」という曲があり、これを覚える必要があります。9/30、5:30より9:00ごろまで宿自治会館前で宵宮、自治会役員や剣神社の関係者など約100名ほどが集まり、お囃子の演奏をバックに親睦を交わしました。

荏田宿の祭りの宵宮(前夜祭)
荏田宿の祭りの宵宮(前夜祭)
10/1、祭り本番、子供神輿とともにお囃子の屋台で荏田の町中を練り歩きました。老人ホームにも3か所行き、お囃子や獅子舞、ひょっとこ踊りを披露しました。とにかく拍手と笑顔で迎えていただいて大変ありがたい気がしました。まだ驚神社の宮元の方々の助けが無ければひょっとこ踊りはできませんが、来年はお祭りの日程も重なっているようで独り立ちしないといけません。

屋台

老人ホームでのひょっとこ踊りの披露
10/7、10/8は、荏田宿お囃子連の先生方の驚神社宮元のお祭りでした。10/7は宵宮、ここのお祭りはかなり盛大です。お囃子だけでなく、大人神輿が町中を回っています。本番の10/8は昼の11時、平崎橋交差点近くで、4つの地域のお神輿や屋台が集まり、それぞれの威勢の良さを競い合います。その迫力には驚き、大変楽しめました。荏田お囃子連はこの域に達するのはまだまだ何十年も時間がかかるのではないかと思います。驚神社の屋台では子供のお囃子もあります。荏田のお囃子連もこのように子供が参加していてはじめて何十年も継続できるようになると実感をします。

宮元の宵宮

平崎橋付近での4つの地域の競い合い
朝日新聞(2017.10.4朝刊)の連載記事の「てんでんこ」で、「音楽の力」という節がありました。大槌町の人々がばらばらに避難しているが、花巻の音楽療法士の三井さんが次第に気がついたのは、「(避難されている)皆が好むのは、童謡や流行歌ではない。地元に古くから伝わる甚句や大漁節などだ。」と書かれています。
お囃子もそうですが、長い年月、同じ曲を何度も何度も毎週のように地域で歌ったり聴いたりしているので、地域の人たちの共通の感覚ができているからだと自分の経験からも感じます。

また毎週練習をしている中で感じるのは、我々は去年始めたばかりですからうまくいかない、失敗することも多いですが、それでも先生に怒られることがない。皆が長く続けるためには独特の教え方があると感じます。そのうちに何とかなるだろうという余裕の気持ちです。

2017/10/10

岐阜の芝居小屋 加子母明治座・白雲座の音響調査

ベルリン工科大学の研究者と一緒に、岐阜県の「かしも明治座」、「白雲座」の音響調査をしました。メンバーはベルリン工科大学のClemens Buttner氏とProf. Dr,Stefan Weinzierl、東京大学生産技術研究所の助教 森下有氏、YABのアントニオ・サンチェスと藪下 満の5名です。

9月25日(月)に横浜から車で出発し、夕方に加子母村に到着しました。その日は、「かしも明治座」で12面体無指向性スピーカによる音響測定を行い、翌日の午前中に「白雲座」で12面体無指向性スピーカおよび可聴化(Auralization)用のボックススピーカでインパルス応答の計測、さらに3Dレーザースキャンの空間測定も行い、午後はまた明治座に移動してボックススピーカによる音響測定を行いました。翌日9月27日に無事帰路につきました。

かしも明治座の測定(1)
かしも明治座の測定(2)
白雲座の測定(1)
白雲座の測定(2)


今回の測定の目的は、Clemens Buttner氏による日本の明治期以降のヨーロッパ音楽の導入期の演奏場所の音響特性の調査などです。2年ほど前には、ほぼ同じメンバーで金丸座、内子座、大隈講堂、川越鶴川座を音響調査しました。今回はその第二段となります。

以前からブログでもご紹介している通り、YABでは芝居小屋の音響調査を行っています。2011年には神奈川大学との共同研究のまとめとして、「芝居小屋の音響特性」の論文を技術報告集に報告しました。その後に、Clemens氏に会い、ベルリン工科大学との共同研究が始まりました。2014年には、ポーランドで開催されたFORUM ACOUSTICUM 2014 in KRAKOWにて、「Acoustical Characteristics of preserved wooden style Kabuki theatres in Japan」と題して、八千代座、村国座、嘉穂劇場、金丸座、鳳凰座の音響シミュレーション結果をClemens Buttner氏、Prof. Dr,Stefan Weinzierlと神奈川大学の安田先生と藪下で発表しています。
また今年の建築学会大会では、アントニオと森下先生、Clemens氏と私で、「川越市鶴川座の音響的復原 ―3Dレーザースキャンの応用-」と題して発表しています。芝居小屋の音響の研究が広がっていることを嬉しく思います。
私としては、芝居小屋の空間構成を現代の劇場設計に生かせないかということと、この音響特性から音声を伴う音楽にはどのような音響空間が好ましいかを今後探っていければと思っています。

今回、加子母村では、森下先生の知人の中島工務店社長の中島さんに大変お世話になりました。かしも産直売所(木造ラーメン構造)、ふれあいコミュニティ施設(木造、子供と老人施設、安藤忠雄設計)、ふれあいのやかたかしも(コミュニティ施設、在来軸組み工法の大型木造建築)、設計コンペでできた木造の加子母小学校、そして保存修理を行った明治座、またキャンプ村などを案内していただきました。また村の集落は、ほぼ同じようなスタイルの木造民家で、周辺の山々と調和していて大変好印象でした。中島工務店は木構造の最先端の技術があり、村の発展に貢献していると感じました。

加子母明治座前で、右からステファンさん、加藤館長さん、アントニオ、森下さん、私(藪下)とクレメンスさん