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2006/04/26

福生市民会館リニューアル

福生市民会館のリニューアル工事が20061月に竣工しました。

工事の主な目的は施設のバリアーフリー化と、練習室の遮音性能の向上、およびホールの電車騒音対策です。その他意匠的には、長い間市民に親しまれた外観は残し内部空間を明るくまた利用しやすい空間に改修いたしました。全体計画はパシフィックコンサルタンツ株式会社が担当し、YABでは、そのうち劇場の使われ方の検討と改善、各練習室の防音対策を担当しました。

防音対策は浮き構造による方法として、地下のリハーサル室、1Fの音楽室、視聴覚室、3Fの第3多目的室、第45多目的室の防音対策工事を行い、各室間に十分な遮音対策をして同時使用を可能としました。また大ホールは舞台側に八高線が隣接しており、鉄道走行騒音の影響を受けていたため、舞台側の線路に面する壁を防振支持した壁を付加しました。

大ホールの残響時間測定の様子










すぐ脇に線路があります(測定時の様子)。











視聴覚室の騒音測定(窓の向こうが
線路です)。



2006/04/25

Q-AXシネマの音響設計

Q-AXシネマは、渋谷区円山町に2006年1月にオープンした映画館です。
当社は音響設計、音響にかかわる工事監理、音響測定を行いました。
周 囲をライブハウスとホテルに囲まれた立地のため、音響設計にあ たって周辺環境への騒音対策と外部騒音の遮音対策に配慮し、また1Fのオープンスペースを挟んで、地下1Fと2F、3F、4Fに計5館のオーナーの異なる シアターの入っている複合ビルであるため、シアター間の遮音性能が特に重要となりました。
そのために地下1Fと2Fのシアターは床から天井まで防 振ゴムで支持をした浮き構造を採用し、特に、2Fのシアターはコンクリート躯体が段床となってい るために、その段にあわせて浮床も形成し、3F、4Fも浮床を採用し、遮音性能を確保しています。


客席と測定時の様子

客席の様子

客席の様子

1Fオープンスペースの測定の様子

また、地下1FのシアターはTHX(※)の認定を前提に、 残響時間周波数特性を63Hzの低音から4kHzの高音域まで、THXの許容値以内に収まるよう設計を行い、実際に達成しました。
映 画館の音響性能は再生音声の明瞭な伝達特性と拡がり感のあるサラウンド音場の実現が重要であり、そのために騒音が少ないことと、最適な響きが必要 です。通常は音声の明瞭な伝達のために吸音することが一般的ですが、それをグラスウールを用いて吸音するために、低音域の残響は長く、高音域の残響は 短くなりすぎる傾向があります。本映画館では低音域の残響を抑え、中高音域の残響を確保し、そのことでさらに映画製作者の意図した再生音場の実現を目指し ました。

※THX:劇場用音響、映像の品質規格

当社について

(有)YAB建築・音響設計は、横浜市にて、音響・振動に関する
設計・コンサルティングを行っています。詳細は、HPをご覧ください。

2006年4月より、ブログを開始いたしました。
ここでは、当社の実績を事例とともにご紹介して行きたいと思っています。

お問合わせは下記まで。
info[AT]yab-onkyo.co.jp

※[AT]を@に変更して送信してください。