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2024/12/15

オペラ IL TROVATORE コンサート

 日時:20241214日(土)1400開演

場所:マリーコンツェルト 板橋区中板橋 北口より徒歩で3分のはずだが、横道に入りそこない、遠くまで歩いて行ってしまった。ホールはRC造の2階、一部3階になっていて、1階はエントランスホール、男・女用のトイレ、2階は舞台・客席、3階は客席 1階は70席ぐらい、2階も30席ぐらいか。永田音響のニュースでは100席と書かれいる。とにかく満席だった。壁は打ち放しのコンクリートで、天井はよくわからないが黒っぽい色で塗装されている。多分吸音性のドリゾール板のようなボードと思われる。

暖冷房は縦格子状の四角のパイプでできていた。多分換気は熱交換を行いながら換気できる換気消音のシステムが天井にできているようだ。このような方法であれば空調騒音が小さくすることができる。設計は大塚亨設計事務所、音響設計は永田音響設計。

曲目:G.Verdi作曲のオペラ IL TROVATOREの中から、穏やかな夜、嫉妬に燃えて、炎は燃えて、君が微笑み、見よ 恐ろしい炎を、恋は薔薇色の翼に乗って、他

出演は中島寿美枝(LEONORA)、末広貴美子(AZUCENA)、小川英子(PIANIST)、川久保博史(MANRICO)、木村聡(CONTE DI LUNA)で、板橋こもね歌劇団が主催しているようだ。こもね歌劇団は末広さんの手紙によれば、川久保博史と中島寿美枝ご夫妻が主催する団体のようで、出演者の木村さんも板橋区小茂根に住んでいることから名前がついたようだ。IL TROVATOREの物語は、司会進行の田代直子が大きな流れを話し、その後オペラの重要なアリアなどを唄うもので、オペラ全体の流れがよく理解できながら楽しめた。ただ話は複雑で、ジプシーの老婆が火炙りになる話やその老婆の娘による伯爵の息子(弟)の誘拐や復讐としてその子を火に投げこんだつもりが間違えて自分の息子を投げ込み、伯爵の子を育てたり、その子の恋人と伯爵の子供との軋轢やその子と本当の弟との決闘や最後まで様々な出来事が現れる。物語としてこれ以上劇的なことはなさそうな話だ。したがってアリアは激しい歌声になる。このような激し歌声には今回のコンクリート打ち放しの空間は最適のように思う。ただ強い反射音が直接音を補強しているが、そのため音像(歌っている人の声)が少し不明瞭になる感じもあった。特に歌手が上階から歌うシーンがあったが、2階の客席から聞いていると、どこから歌っているのかよくわからず、部屋全体から響いているような感じだった。私は以前永田先生が一応完成してから音を出して好ましい状態まで吸音材などを追加するのをテイラーメイドといっていたが、それが少し必要な気がした。

実は私が設計のかかわったものであるが、2012年に竣工したトライビートスタジオのスタジオAは天井高さが6m近くあり、さらに残響調整のために、1m角ぐらいの吸音材を壁に取り外しができるようになっている。このマリーコンツェルトの近くを流れる石神井川を下るとこのトライビートスタジオはある(写真で示した)。ただし現在はリボーンスタジオという名前になっているようである。


              写真:マリーコンチェルトの内部、コンサートの前に撮影

             写真:マリーコンチェルトの天井の拡大写真

             写真:トライビートスタジオのAスタジオ