アカデミア・コンサート2024は室内楽アカデミアという学校で学んでいる学生が講師陣と室内楽で共演するというコンサートです。2024年2月11日(日) 14時から、横浜市青葉台のフィリアホールであった。
このホールは永田音響設計が建築設計および建築音響設計を行っている。建築設計の担当は山本剛史であった。この設計の特徴は舞台を含め天井が高く、両側壁間は比較的狭くできていて、音に包まれるよう側方反射音重視の設計方法となっている。当時(1993年)としては新しい方法である。永田音響設計Nwes93-5号によれば余裕のある響きをえるために14mの天井高を確保した。その結果一人当たりの室容積は12m3、観客席は500名とのこと。
この天井高は舞台を含めてのことで、舞台では演奏者同士がお互いの音を確認するためには、直接音以外には反射音を期待することはなかなかむつかしい。舞台音響を考慮して、舞台にも壁の凹凸や浮雲などでより反射音を舞台に返すことを考慮する必要があったのではないかと思っている。
今回はピアノおよびヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの弦楽器はアンサンブルの時には舞台の前よりの中央に固まって演奏していたので、お互いの音がよく聞こえたと思われ、弦楽器のハーモニーもきれいに聞こえた。室内楽アカデミアの学生たちの演奏は、講師も含めての演奏であるがとてもレベルが高く、素晴らしかった。
また弦楽四重奏などの弦楽器の音律はどのように設定しているかも気になっている。ハーモニーがとてもきれいだったと感じた。平均律を多少ずらして純正律にあわせて演奏しているようにも思う。
写真:コンサートが終了したときに客席後方から舞台をとった。