横浜ボートシアターは、海に浮かんだ艀からできた芝居小屋だ。しかし夏は冷房をしているわけではないので暑くて芝居ができない。今年は特にそう感じる。
横浜ボートシアターは海に浮かんでいる艀の劇場なので、この海を使って夏に芝居が出来ないものか!夏の海水温はおおよそ30℃、このままでは室内を冷やすためには使えない。
屋根の夏の直射日光が当たる部分は60~70度もある。したがってその熱がそのまま室内に伝搬してしまうことが考えられる。メッシュ状の布を屋根面からどういう方法か難しいが、2~10cm開けて設置して、直接日光が屋根面に直接当たらないようにして、メッシュ状の網目から熱を放出する方法もあるようだ。
このようなメッシュ状の布に、海水を少しずつ流して、蒸発熱を奪うことによって、さらに温度を低下させることはできないか。この材料には、ポリエステルの布に撥水材を塗布した布、通気性もあり、撥水性に優れ、さらに雨傘にも使われ、さらに漁網にも使われ、塩水に強いと思われる素材もある。
もちろんこの海水をまく装置は、ソーラー発電によって、小さなモーターを稼働させ、海水をくみ上げる。
海水は塩が含まれているので、この塩に強い防水の屋根材が必要である。鉄板はもちろんステンレスやチタンも悪影響を受けるようだ。塩ビシートのような素材がよさそうである。
天気予報で気温が例えば35℃と発表されるが、百葉箱のような中での、直射日光がないところの温度だ。したがって窓を開けて外気を取り込んだら天気予報に出てくる温度より高い温度の外気が入ってくる。したがって観客の換気のために外気を簡単に取り込むことはできない。窓は必要と思われるが、断熱効果のある2重窓が必要の可能性がある。さらに船体も今は鉄板一枚であるが、多分断熱材で覆う必要がある。海水温が高いためだ。鉄板の壁を折版などで、二重壁にして中の空気を排気する方法もありそうである。
次に冬については、海水温は20℃前後、外気は10℃前後と思われる。したがって海水温は積極的に暖房に用いることが出来そうである。鉄板の壁の2重壁には空気を流して、室内に取り込むことで室温を上げるのには効果的だ。屋根はメッシュ状の幕で覆われたとして、屋根面は太陽の輻射熱で、20℃程度に上昇していることを期待したい。その状態では、艀の周辺は約20℃で覆われることになり、熱環境としてはまあまあの状態となる。さらに夏と同様にソーラー発電によって、20℃程度の海水をくみ上げ、屋根面に撒くことで、屋根面を20℃程度に維持することができる可能性がある。
観客が入れば、新鮮空気や換気が必要となる。そのため夏には外気の暑い空気をそのまま取り入れないように室内の温度と熱交換が必要となる。冬には寒い空気をそのまま取り入れないように、室内の温度と熱交換が必要である。
将来、公海に接岸出来て、電気が取り入れることができる可能性もあるが、できる限り、エアコンなどによる冷房・暖房は使いたくないものだ。
ただこのような海水を用いて、その撒布により蒸発熱を奪って冷房する方法以外にも可能性があるかもしれない。海水を用いて冷房や暖房を行う技術開発費用も新たなテーマとして存在する。ただし技術開発費用や装置の設置費用など寄付が必要な気がする。