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2022/04/10

琵琶の音

 

天声人語2022.04.03に動画配信サービスで演奏されていた琵琶のことが出ていた。演奏者は後藤幸浩(ゆきひろ)と書かれていた。実は何年か前(2007317日)に元横浜ボートシアターの高橋和久がかたりをして、後藤幸浩が平家物語を演奏するコンサートがあった。その時はかたりの方が気になって、琵琶についての音の感想はそれほどなかったが、天声人語には琵琶の音は「弦を一度かき鳴らすだけで、発祥の地といわれるペルシャやインドの雑踏に立つ心地がする。」とある。たしかに琵琶は正倉院の収蔵物にもあり、1300年前頃に伝わったもので、もとはペルシャのバルバットかもしれない。CDの内容は1.木曽最後(平家物語より)、2.熊凝のうた(万葉集より)、3.うしろむき(今昔物語より)、4.わが子は二十に(梁塵秘抄より)が入っている。作曲は後藤幸吉がかかわっているようであるが、リズムやメロディーがあるわけではない。2番目の曲は尺八も含まれる。熊凝は人の名前で本名は大伴熊凝(おおとものくまごり)というらしい。相撲取りの付き人となって都に上る途中で病になって死んでしまうが、その無念さを尺八が表現しているとのこと。たしかにトランペットやサックスのような生き生きした音ではなく、尺八はもの悲しい音である。琵琶と言い、尺八と言い表現の幅が広げられると感じる。