2011/05/09

公害としての放射能

3月11日の東日本大震災からもうじき2カ月が立つというのに、音響技術者には何もお役にたてないもどかしさがあり、この大震災に対し発言ができていませんでしたが、環境の観点から発言することにしました。
この大震災によって福島第一原発から放射能漏れが生じ、甚大な被害が生じています。東電や、関連企業の担当者の体を張った努力で、原発の放射漏れと闘っていることはわかります。しかし、原発の周辺区域のみならず、福島市、郡山市など都市部を含めて福島県の東半分は放射能の濃度が高くなっており、一部小中学校の校庭や公園の利用が制限されるなど、日常生活にも被害が生じています。

環境基本法では典型的7公害として、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭を対象としています。公害の定義は、この7つの事象が相当範囲にわたって生ずることにより、人の健康又は生活環境に係る被害が生じることをいいます。また公害は人為的な原因に基づくものに限られ、地震、台風などの自然現象を原因とする被害は含まれません。このような観点から、今回の福島第一原発の放射能汚染は公害の定義に該当すると考えられます。

放射能を公害と定義して、騒音、水質汚濁、大気汚染など他の公害の事象と同じように、人の健康又は生活環境を守る観点から、客観的に監視できる体制が必要と感じます。現在は原子力安全・保安院など原子力の安全については、経済産業省に属していますが、これでは原子力の推進側と一体になってしまいます。放射能汚染については、環境省に属する環境基本法の中に公害として位置づけるのが適当ではないかと思うようになりました。