横浜は飛鳥田市長の時に田村昭さんという都市計画家が横浜市役所にいて、1965年横浜の6大事業という計画を発表し、都市計画を担っていたようだ。これによってかつて三菱重工横浜造船所だったところが、金沢区に移転し、みなとみらい地区に大きく変化していった。私もかつて桜木町駅から三菱重工横浜造船所へ、焼却場の防音対策のために打ち合わせに通ったものだ。これも懐かしい景色だった。しかしこの移転後は、みなとみらい地区という業務地区として大きく変わり、かつてその東端にあった廃墟だったレンガ倉庫は人々が楽しむレストラン、劇場、店舗などの場に大きく変化した。横浜公園から日本大通りを経て象の鼻公園に至る道、さらにレンガ倉庫を含むみなとみらい公園など大変美しくなり、いつも散歩をして楽しんでいる。この象の鼻公園から山下公園にいたった先に、今注目されている山下埠頭再開発の計画がある。ここを林市長の時にカジノにしようという計画があり、市民運動によりカジノ計画は中止になった。しかも林市長は、田村さん等がたてた計画を停止してしまっただけでなく、カジノを計画していた組織はそのままで、山中市長にかわっても、再開発の計画を行っていたその組織はそのままに残され、表には何をしたいかの具体的な提案はなされていない。関内駅から日本大通りに向かう途中に旧横浜市庁舎あったが、林市長の時にほぼ壊され、超高層ビルに立て直された。この脇を通る時にいつもビル風に悩まされる。関内駅から横浜球場、横浜公園に向かうときに、この超高層建物の数階は、外壁の多くが窓でなく壁にしているようだ。現在も建設中であるが、横浜公園周辺の界隈という雰囲気はなくなってしまって、排他的な雰囲気だ。またこのような超高層ビルが山下埠頭の再開発後に建ちならんだとしたら、現在あるみなとみらい業務地区と同じような単なる業務地区となってしまう。建設費は大変大きくなるが、できた地域は一般の人々には多分さみしいものだ。現在のみなとみらい地区もランドマークタワービルからみなとみらいホールまでの場所は、多くの人でにぎわっているが、その先の建物にはなかなかいく理由が見当たらない。山下埠頭を単に公園にしようというのであれば、既に公表されている気がするが、今の計画がいまだに公表されていないところを見ると、単に建設費が儲かるだけの業務地区にしたいのではないかと思ってしまう。
横浜レンガ倉庫から象の鼻公園、大桟橋、山下公園、氷川丸、その延長で山下埠頭公園が出来たら、この地域はかなり楽しい場所になるはずだ。更にその一角に横浜船劇場が係留できたら、劇場に行きやすい場所になる。現在、山下埠頭は市の所有である。市民のものにすべきである。
横浜船劇場は、横浜ボートシアターが所有している劇場で、鋼鉄製の艀だった船を、劇場に改修して使っているものだ。現在は自由に船に近づけない場所に係留されているが、当然、公共的な場所に係留して、誰でもが演劇を見れる状態が好ましい。現在山下埠頭再開発の計画が進められているが、公園として開発し、その一部に劇場として係留できることが望ましいように思う。事務所などの事業用の地区として再開発されるのではなく、メインは公園として開発し、一般の人もその場所に立ち入ることができ、その中に船劇場があることが望ましい気がする。それが出来たら横浜市自慢の現代の芝居小屋が実現する。
写真:象の鼻公園から見た大桟橋、たまたまここに飛鳥Ⅱ、およびダイヤモンドプリンセスが係留していた(2025.09.20(土)。
写真:山下公園から足元の山下埠頭およびベイブリッジを眺める。さらに右手には氷川丸が係留されている。ここも誰でもが中を見学できる状態になっている。もし山下埠頭に超高層ビルが立ち並ぶとベイブリッジは見えなくなる(2025.09.20(土)。