著者は作:渋屋せつこ、絵:ノガワアイ、出版社:幻冬舎。作者の本名は渋谷セツコ、今までは建築家(一級建築士)として仕事をしていた。私は50年ほど前から知っている人だ。その人が童話を書いた。「オリオンの3人娘」という本だ。多分子供夫婦が宮古島に住んでいて、その夫婦が3人の女の子を授かった。ここまでは私の予想。ただ三人の女の子はオリオン座の腰のところにある三つの星の申し子という感じで書かれている。最近ここ横浜ではオリオン座をはじめとして、夜が明るくて、星座はよく見えていないが、多分宮古島では星座はよく見えるのだろう。浜辺で星を見ながら居るだけでなんだかロマンチックな気がしてくる。多分この最初から物語が始まっている。下図は宮古島とその隣の伊良部島、本の最初に、沖縄に次いで大きな島で、三角定規みたいな形をしているとあるので、多分宮古島だと思う。主人公たちはこの島でパッションフルーツを栽培している。登場人物は、この夫婦と小さな娘三人と、ヤモリ、ケンムンという妖怪で、ケケケケと笑う。歯のないハブ、失神する子供のカラス、笛吹き鳥(母親は胸に土笛をぶらさげている、ピョルルーと鳴く)、飛びイカ、子供たちはこれらの動物と親しい。大きな台風が来て、両親に大変な出来事??が起きる。そのため、子供たちが仲良くしていたこれらの動物たちが助けてくれる。子供たちの親を思う気持ちや親が子供たちを思う気持ちがひしひしと伝わってくる。一気に読んでしまった。さすが建築家だけあって、空間的に広がりのある展開となっている。さらに童話は星たちや動物たちとこうありたいと思う世界を容易に創作できると言う長所がある。今後に期待できるところだ。
地図:この三角形の島が宮古島、左側の島は伊良部島