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2023/11/08

新版 小栗判官・照手姫 游行寺公演

公演は日時:114日(土)1400より、場所:藤沢の遊行寺(ゆぎょうじ)で行われた。

 案内によれば、藤沢駅の北口からあるいて15分とあったが、途中蕎麦屋(そばーるひだまり)によって、行ったので、遊行寺へは、1時ぐらいに着いた。このお寺は由緒あるお寺で、相当古くからの銀杏の木が生えていた。また小栗判官と照手姫のお墓がある。まずそこにお参りして、公演のある本堂に向かった。遊行寺は「ゆぎょうじ」と読むが「遊びに行く」とも読める。結構広く遊べるような感じもしてきた。私は日本には広場がないと思っていたが、この遊行寺の本堂前の土地はとても広く何かに使える。そういえば出雲の阿国は京都の北野天満宮で歌舞伎踊りを行ったようだが、これも広場ともいえる。それだけでなく本堂の中は案外広い。今回横浜ボートシアターが行った本堂は観客を入れて公演ができるほどだ。そのようにすれば多くのお寺で、許可を得さえすれば演劇や音楽の公演ができることになる。今回の遊行寺は小栗判官と照手姫の墓があり、また物語も仏教的な話もあるので、小栗判官・照手姫の公演を行うにはいい場所だ。

 


公演はこの遊行寺の本堂であるが、受け付けは入り口の階段の上で行い、靴を入れるビニール袋は横浜ボートシアターでは初めていた外国人がくばっていた。

本堂は写真のように、ご本尊の前空間を、舞台および観客席として、前の方の数列は船劇場でもちいている座椅子を用い、後部は折り畳み椅子であった。室内の大きさは、舞台は約10m×5m、観客席も同様の大きさで、天井は約10mあった。実際に測ったわけではないので私の想像です。観客は満席で、ほぼ200名はいたのではないかと思う。舞台の周辺は幕で仕切られ、楽屋とそこから舞台へ出る通り道になっていた。また前半、照手姫が退場するときには、観客席の中央につくった通路を通って、本堂の前の扉の外に出ていき、前半が終了していた。後半は餓鬼を数人がえいさらえいと声を出しながら引いていき、やはり本堂の前の戸を一度出ていき、また戻ってきていた。このような動きは、お寺の本堂という半分演劇的、半分現実的な雰囲気の中で行われていて、夢の世界か現実かよくわからない状態に持って行けたように思う。俳優たちのセリフも本気で大声を出していて、わずか数mのところで話されているので、これも現実に様に聞こえてきた。えいさらえい、えいさらえいと大声を出しているのを聞いてきると、生きろ!生きろ!と聞こえてくる。戦乱の多いとくに今は重要な言葉だ。