ページ

2023/05/26

エラールという楽器のコンサート

 520()に「エラールという楽器」のコンサートがサントリーホールの小ホール ブルーローズでありました。エラールという楽器はチェンバロの後に生まれた楽器で、ピアノの前進になります。ピアニストは飯野明日香さんという人で、このエラールが生まれたのは、1777年ぐらい、モーツアルトが活躍していた年代、ベートーベンの少し前の時代だったようです。ただしこの演奏したエラールは1867年製のもので、故福沢進太朗氏が1939年にパリで購入し、戦後日本に奥さんとともに来日し、奥さんの福澤アクリヴィに愛用されたのち、2004年にサントリーホール所有となった。ナビゲーターは青島広志。

曲目はリストのラ・カンパネラ、ベートーベンのワルトシュタイン、ラヴェルのほか、鷹羽弘晁、糀場富美子、西村朗、一柳慧、など現代の作曲家で、一柳慧は最近亡くなったばかり、あとの3名はそれぞれ舞台に上がって青島広志のインタビューを受けていた。現代の作曲家を直に舞台に登場させるなど面白い手法で、さらにこれらの作曲家の曲は、非常に生き生きした曲で、飯野明日香の力を感じた。また一柳慧の曲は「左手のためのファンタジア」という左手だけしか動けなくなった館野泉氏の委嘱作品で、一柳慧への追悼の意を表したものだそうだ。いろいろ感激した。