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2023/02/13

戸建住宅の音楽練習室の防音の必要性

 音楽室の練習では、おおよそ100dBAの音が出ている。野中の1軒屋であれば、何も問題は無いが、一般的には隣接して住宅があることが多く、夏の場合には窓を開け放している場合もある。したがって音楽室の練習音が近隣に伝搬してしまう場合に問題点がある。つぎに音楽練習室のある家で、一人だけで住んでいる場合には問題は少ないが、家族の寝室や居間がある場合もそこへの練習時の音の対策を建てる必要がある。

音楽練習室が例えば居間にある場合には、ある程度の広さがあるので、何人かで合奏することができる。例えばピアノと何名かのコーラスの場合もある程度の広さが必要で、居間が一番好ましいと思われる。ジャズバンドの場合も何名かの編成で演奏するためにはやはり居間が広さの点で該当する。できればこのような場合には、音楽を練習する場ととして、居間だけでも鉄筋コンクリートで作って、外部に対しては窓を二重にするなどをして、防音対策を行とよい。これは新築の場合にはそれができるが、既にある木造の居間について、屋外に対して、窓や換気口に防音対策を行うことになるが、室内に対してはキッチンなど給水・排水・換気などの機能が複雑なために、なかなか困難な対策となる。そのため音楽練習室がベッドルームなど特定の機能の部屋の場合には防音対策は立てやすい。

最初に音楽室を1階に計画することを考える。最初できるだけ天井高さをとるために、既存の木造の床を撤去して、地面の上にコンクリートの基盤を作る。音楽室の既存の壁にプラスターボードなどを1枚追加する。コンクリートの上に防振ゴムを介して、木製の遮音床を空洞部の下部に適切な孔をあけて作る。(参考YABブログhttp://yab-onkyo.blogspot.com/2030/01/)。また浮壁および浮天井は音楽に応じて適度に面密度を大きくし、できればボルトなどで既存の壁や天井にアンカーをとらない方法としたい。窓は防音サッシを一枚追加する。また防音ドアを浮構造側に設置することが好ましい。既存の躯体に設置すると周辺の固体伝搬音がドアを通して伝搬してしまう。また冷・暖房用の室内機は浮構造のなかで納める。また換気装置のダクトなどは浮構造の貫通部で浮構造を固定しないようにする。ロスナイなどの併用も省エネルギーのために必要なことかもしれない。

音響用の内装については、音楽により、また好みもあるが、太鼓などの低音が大きい場合には低音用の厚い吸音材を、フルートや三味線などは中高音域を適度な量で用いる。ピアノやギターなど自己残響の多い楽器については内装について特に気を付ける必要がある。


                                             図 音楽練習室の概略断面図