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2023/02/11

篠笛はなぜ1本で演奏する場合が多いのか

「邦楽百科事典 雅楽から民謡まで」という辞典では、篠笛の項には「長唄の囃子・民俗芸能などで用いられる竹製の横笛をさす」とあり、そのあとに、「現在使われる笛には二種あり、一つは、近世以来の、吹き口、指孔ともに小さい笛で、」 もう一つは大正期にできた「十二平均律的な音階を出せる笛」がある。前者は「、、難しい音階で作られており、笛ごとにこの音程感覚が少しずつ異なってもいる。この理由は、二本以上を同時に合奏することがなかったので、それぞれの笛の個性が認められていたためである。まれに合奏する場合でも、音のずれをまったく気にしないことが過去に多かった。これは、日本の音が、音階をそろえることを必ずしも重視していなかった点からきている。」 たしかに篠笛は歌舞伎や浄瑠璃の世界では、三味線や太鼓は何台も同時に演奏するのに、篠笛はほとんど1本で演奏している。しかしこの辞典ではなぜ笛は1本で演奏するか書かれていない。二本以上を同時に演奏することがなかったので、それぞれの笛の個性が認められていたとある。音響技術者の場合には、二つの音がよく調整されていないと「唸り」が生じると書いてしまう。建築・環境音響学の教科書では「唸り(beat)は振動数がわずかに異なる2つの音波の干渉によって、観測点に生じる時間的な振幅変化であり、1秒間の唸りの回数は2つの音波の振動数の差になる。」一般的には2本の笛を同時に鳴らすと後にプルプルという音に聞こえることが多い。しかし唸りがあって何故問題なのかと言われそうです。また「唸り」という言葉も一般には使われていないようにも思う。お囃子の笛は毎朝吹いて練習していてなじみがありますが。