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2012/10/01

カルチェミュジコ主催 グエン・ティエン・ダオ弦楽作品コンサート



928日(金) 作曲家グエン・ティエン・ダオ(Nguyen Thien DAO)の弦楽作品のコンサートが杉並公会堂小ホールでありました。グエン・ティエン・ダオ氏は1940年ベトナムのハノイ生まれ、1953年にフランスに渡り、国立高等音楽院でメシアンに出会い、現在フランスでは有名な作曲家として活躍されているようです。チラシをいただいて急に興味をもって行くことにしました。

最初の曲は弦楽三重奏曲『梢のざわめき』、ヴァイオリン、ビオラ、チェロです。初めは細かく忙しない、しかし静かなピチカート、風の梢を揺らす葉の音、それから虫の飛んでいるような音、何か透明感のある自然を感じる音です。
次は弦楽六重奏曲1789曙、都会の通勤客の雑踏のような感じ、新しい息吹を感じました。もっとも後で調べてみると1789年はフランス革命の年、これは革命の息吹を表しているのだろうと思います。

ここで幕間。席を立つと、後ろに横浜バロック室内合奏団のバイオリニストの方がいらっしゃったので、印象的だった曲の感想を話し合いました。
後半はチェロ独奏のためのアルコ・ヴィーヴォ、弦楽四重奏曲第一番。
まず現代音楽の良くある特徴の不協和音はなく、また音は幾重にも連続していますが、ハーモニーのように音を重ねて奥行きを出すようなこともありません。こんな聞き方が正しいかどうかはわかりませんが、音や音の連続で何かを表現しているようなので、何を表現しているのか一生懸命考えながら聞いていました。音の連続はバッハの無伴奏にも近い感じがしますが、しかし振幅はより大きい。そして透明感のある風景または空間を感じます。また聴きたいと思いました。

コンサートが終わり、グエンさんは舞台に上がって演奏者を労われました。小柄で腰の低い優しそうな方でした。