6月11日、すみだトリフォニーホールで、友人であるキンボー指揮による新日本フィルのコンサートがありました。
曲目は、ドヴォルジャークのチェロ協奏曲ロ短調op.104、モートン・グールドのシンフォネット第2番、バーンスタインの「ウエストサイドストーリー」のシンフォニック・ダンスです。チェロ独奏は向山佳絵子です。
パンフレットには、坂本竜馬はブラームスより3歳年下でドヴォルジャークより5歳年上とありました。ドヴォルジャークが、ボヘミアからニューヨークに渡ったのは1892年9月、51歳の時だそうです。日本もアメリカも近代が始まって、産業が発展していくまっただ中でした。
その前年1891年にカーネギーホールが、また1900年にはボストンシンフォニーホールが建設されています。ドヴォルジャークはニューヨークのナショナル音楽院の院長として2年半を過ごし、アメリカにクラシック音楽の芽を育みました。その芽から花開いたグールドとバーンスタイン曲のコンサートで、華やかさがあります。
キンボーは昨年(2010年)第9回斎藤秀雄メモリアル基金賞(指揮部門)(財団法人ソニー音楽芸術振興会)を小澤征爾に推薦され、故大賀さんから受賞している成長株です。
とにかくキンボー指揮の音楽は、リズムが華やかで威勢がよく、音楽は楽しまなくっちゃ、という感じが伝わってきます。
コンサート終了後に楽屋に挨拶行きました。楽屋ロビーにいらした楽団員の方々に楽しませていただきましたと感謝を述べましたら、シンフォネット、ウエストサイドストーリーはジャズなので、クラシックの音楽家には結構難しいと言われながらも、皆さん満足そうでした。楽屋のキンボーも満足感があふれていました。
コンサート当日は、ちょうど震災から3カ月目の日でした。キンボーは冗談で、日本に命がけで来ましたと言っていました。震災の後、来日を中止した音楽家は多数いらしたからです。よく来てくれたと嬉しく思います。
震災の当日は、この新日フィルを指揮するために、ダニエル・ハーディングが会場(すみだトリフォニーホール)に向かっている途中で地震に遭遇、交通機関がすべて止まる中、会場にいらっしゃった150名程度のお客様のために演奏し、歴史的なコンサートになったと新聞にでていました。そして、6月20日に再度、同じすみだトリフォニーホールにて、チャリティコンサートを行っています。ダニエル・ハーディングのインタビューが新日本フィルのサイトに掲載されています。