「炎とフラメンコ」と題して、小松原庸子スペイン舞踊団新春公演が国立劇場小劇場で1月9日、10日、11日とありました。その最終日に劇場に行くと、ぎりぎり最後の1枚の当日券が手に入りました。
演 目は二部編成で、前半は浄瑠璃常磐津をバックにフラメンコを踊るという異色作で、テーマは炎とフラメンコ、後半は一般的なフラメンコで、テーマはセビー ジャの夜のパティオでした。「炎とフラメンコ」は愛知万博のオープニングに依頼を受け創作され、日本・スペインの各方面から賞賛を受けた作品とのこと。
小 松原庸子さんは、代々、常磐津の師匠という家系に生まれたそうで、常磐津はその背景で身に付いたものだそうです。踊り手は、女性は上半身が着物、下半身は フラメンコのスカート、男性は着物と袴という衣装です。衣装も驚きですが、笛や小鼓、三味線の音楽、さらに常磐津の声をバックに、そのリズムに合わせてフ ラメンコを踊るということはかなり実験的な試みだと思いました。しかし、違和感はあまりありませんでした。後半の、情熱的なフラメンコとは違い、常磐津 バックのフラメンコは優しい柔らかな感じです。フラメンコも常磐津もそれぞれの国の古い文化ですが、異なる文化を活かしながら融合させることもこれからの 試みなのでしょう。
そういえば、YABが支援している劇団「横浜ボートシアター」も、アジアの芸能(音楽や物語)を取り入れた興味深い演劇だと改めて思いました。もっとも、アジアの文化のほうが日本には近く、馴染みやすいものと思いますが。