2024年6月22日(土) 16:30開演
場所:杉田劇場 名前は劇場だが多目的劇場で、コンサート時の響きもよい。
場所はJR新杉田駅から歩道橋で接続された超高層ビル「らびすた新杉田」の建物の中に杉田劇場はある。住民の投票で、この近くにあった杉田劇場が美空ひばりのデビュウ時の名前で、それにちなんでつけられたものだ。しかしこの杉田劇場は、多目的劇場で、音響反射板を用いた時にはかなり響く状態になり、クラシック音楽には好ましい状態になり、音響反射板を除いた時には、残響は短くなり、芝居にも電気音響にも好ましい状態が得られる。しかし芝居の舞台を音の反射性のベニアで舞台装置を3方囲ってしまうと、響きが出てしまうために、できれば布や紙である程度吸音性がある舞台装置で囲う方がセリフの明瞭性はえられてくる。これは実際に竣工後に出くわしたことだ。建築設計は松田平田横浜で担当者は熊田さん、舞台設計はACT環境計画の林さんで、音響設計は弊社YAB建築音響設計で2001年ごろである。この劇場には桟敷席が両側にあり、下手側には可動の花道も設置でき、歌舞伎や現代演劇などの演目にも対応しようとしている。またオペラも演奏はピアノだけであったが、公演を2度ほど見たことがあり、好ましい響きだった。今回の演目はヴァイオリンとピアノのコンサートで、改めて好ましい響きを感じた。ヴァイオリンの人は曲によっては動き回って演奏していたが、音響障害や音量などで、大きな問題は無かった。観客席は約300席、満席時の設計値は約1.5秒で、側壁は屏風折れとなっていて、フラッターエコーは生じていない。また舞台天井は10m以下で、舞台の中でもお互いに聞きやすいと思われる。
実を言えば、ヴァイオリンのジル・アパップはチラシの写真では髪の毛がたくさんあるが、実際のジル・アパップは髪の毛がほとんどなくなっていて、想像とちがっていた。ただこのコンサートの前にはギターアンサンブルフェスティバルというコンサートがあり、このグループの主催で、ジル・アパップのコンサートも計画されていて、観客のかなりの人たちは、このギターアンサンブルの出演者たちで、そのことを知っていて、リラックスした感じで、舞台から直接本人があいさつをしていた。また同時にピアノのアルフレッド・オヤグエスも曲の始まる前に、曲の説明をしていた。
結構楽しんだコンサートであった。