日時は2024年6月16日 開演15:00
場所は日暮里サニーホール、ホームページでは舞台設置時定員は401名と書かれているが、演奏者のいるところだけでなく、踊りも踊る部分もあり、さらに床に坐る席もあるので、実際にはお客さんはどの程度になるかよくわからないが、とにかく満席であった。
今回の特徴は、雅楽の章・篳篥との合奏やインドネシアの舞踊があること、雅楽は越天楽をガムランも演奏できるようにガムラン越天楽として編曲をしたようだ。雅楽の演奏者の中村仁美さんによると雅楽とガムランには似たところがあり、ともに宮廷を中心に発展してきているが、お互い、喜怒哀楽を直接表現することなく、淡々と時間が流れる、床に座った十数人の奏者が、指揮に合わせることなく、お互いに聞きあいながら合奏すること・・・特に私は気になったのは、拍子が変化することかもしれません。いくつかの共通点があるので、ジャムガムランも雅楽も古代アジア音楽の同じ流れを汲んで今に伝えられているかもしれないと書かれています。先日聴いたイリャン・チャンの肖像というコンサートで、マリンバと韓国の太鼓(チャング)と横笛(デグム)の合奏があったが、とにかくリズムが変化してくるのが何か似通った感じがあることが分かった。このガムランには木琴のような形の竹楽器(チャルン)も演奏されたが、イリャン・チャンのコンサートで、マリンバをこの竹楽器と置き換えても可能性があるのかもしれない。ガムランも雅楽もイリャン・チャンの音楽もヨーロッパのクラシック音楽とは全く異なるものである。タイトルに天上の音と大地の音とあるが、勝手に思うに、天上の音とは宮廷の音楽のことで、大地の音とは竹楽器チャルンによる農村地帯の音楽を意味しているものともう。チラシのあいさつ文に「各々の楽器の音色が緻密に絡み合いつつ、ゆったりと流れるような上品で洗練された音楽となっている」とあった。このたんたんと規則的にながれるガムランのリズムと踊りと雅楽の組み合わせで大変楽しむことが出来た。
入場するときにいただいたチラシの中には、日韓琉鎮魂のまつりというコンサートと横浜ボートシアターの小栗判官・照手姫の公演のチラシもあった。いずれもアジアの伝統芸能という立場はガムランと一緒だが、小栗判官の公演は演劇であるが、ガムランで用いるような楽器も含まれている音楽と仮面を用いているところが一般の現代演劇とは異なり、しかも現代に通じる内容となっている。