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2023/06/24

キンボー指揮 ザ・シンフォニカのコンサート

 618日(日)、1330にミューザ川崎 シンフォニーホールで、キンボー・イシイ指揮、ザ・シンフォニカの第74回定期演奏会と題するコンサートがありました。曲はボロディンの交響曲第2番、ラフマニノフの交響曲第2番です。ボロディンもラフマニノフもどちらかと言えば、クラシック音楽のモーツアルトやベートーベンと比較するとクラシック音楽としては比較的現代に近く、力強く、歯切れがあって、リズムもあり、さらに民族的なところもあり、音楽として理解しやすい感じがします。

ザ・シンフォニカはアマチュアのオーケストラで、学生も居るかもしれませんが、30から40代の人もいるような気がします。ただ相当プロのように上手です。キンボーはかなり前からここのオーケストラを指導してきたことで、かなり技術も向上したのだと思います。

ザ・シンフォニカの定期演奏会のパンフレットのご挨拶というところで、代表が 「いずれもロシアの作曲家です。最初に演奏するボロディン(18331887年)の本業は化学者でした。」「一方では、子供の頃から音楽教育を受けていて、欧州各地に赴くことでそれぞれの土地の文化を享受し、素用の幅を広げたのではないかと想像しています。」「ラフマニノフ(18731943年)はロシアで活動していましたが、本日演奏する交響曲第二番を作曲した土地は、前年から滞在していたドイツのドレスデンでした。」

またラフマニノフは、ロシア革命の時には、スイスに亡命し、第二次世界大戦が勃発するとヨーロッパからアメリカに移動したようです。いわば戦争の犠牲者です。

現在、ロシアはウクライナと戦争を行っており、どちらかと言えば戦争を仕掛けたのは加害者側のロシアで、ロシアを率いるプーチン大統領は、たまには、戦争から離れて、このようなコンサートを聴きに来た方がよいと思います。平和の時間を過ごして、停戦・終戦への新たな流れの何らかの展開が計れることを期待します。

キンボーは指揮者として、若いオーケストラをいくつか指導し、全体の音楽文化レベルを上げていると思います。来月は、キンボーはここ同じミューザ川崎シンフォニーホールのフェスタ・サマーミューザと題するコンサートで、NHK交響楽団を指揮するようですが、切符はすぐ売りきれて、買えませんでした。先週はNHKEテレのクラシック音楽館で、パーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団を指揮するコンサートを見ましたが、指揮の仕方はとにかく歯切れがよく、てきぱきとしていますが、表情としてはなにか苦虫をかみつぶしているような顔をして指揮をしていますが、曲の山場を越えたり、曲が終わるとほっとするような顔をするので、その時以外は真剣になっていることが想像できます。実はキンボーも当初はヴァイオリニストを目指していましたが、左手を故障し、ヴァイオリニストを断念し、指揮者に転向したり、若い頃、両親の離婚もあり、どちらかと言えば生活は決してスムーズではなかったように思います。それにもかかわらず、性格は気さくで、明るい方ではないかと思います。今まではアメリカやドイツで生活していて、日本にときどき来る生活でしたが、どうも生活の拠点を日本に移動したようだし、素晴らしい場所に拠点ができると良いと思います。