一般的な生産機械、集合住宅の重量床衝撃音や音楽の騒音・振動などの場合、こちらの記事にご紹介したように、主に対策には防振ゴムを使用する。
しかし、それよりも重い超重量物の場合は、衝撃力に低い周波数を多く含んでおり、一般的に固有振動数10Hz以上を対象の防振ゴムでは性能が足りない。
超重量物とは、例えば金属加工を行う鍛造機やプレス機械、ジムのバーベルの衝撃などがあげられ、対策としては金属ばねを使用することが考えられる。
最近、弊社の近くに金属ばねを扱っている三協社というメーカーがあることを知り、その製品はばね定数などが公開されているために、遮音床などの設計を行いやすい。
大きな衝撃を起こす機械の場合、以下の写真のような金属ばねを用いると固有振動数を数Hzに設定ができ、対策が可能となる。
たとえば固有振動数を3Hzに設定できれば、1自由度の振動系と考えれば、4.2Hz以上の振動に対策効果があると言える。
ただし金属ばねは、そのままでは減衰が少ないため、いつまでも低い固有周波数で振動が継続してしまい不快となる。またサージングという高次の固有振動数も存在するために、固体伝搬音も伝搬しやすい。そこで金属ばねにはダンピング(減衰)が必要となる。本製品の場合には写真に見えるように金属メッシュが内蔵されているが、更にゴムなどで対策することも必要な場合があると思われる。また固有振動数を下げることと、変形を少なくするために、衝撃力の大きさに合わせて、鉄板やコンクリートでつくる付加質量も必要となる。
それらを含めて超重量衝撃音および振動対策設計を行うことが可能である。
三協社の金属ばね |