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2018/09/11

2018年度日本建築学会(東北)大会に参加しました

2018年度の建築学会大会が東北大学(川内北キャンパス)で開催され、9月6日に発表しました。

4日から5日にかけて台風21号が大阪に大きな被害をもたらした後、北海道方面へ抜け、さらに6日の早朝には北海道では胆振地方で震度7の地震が起こり、大きな山崩れが発生、また発電所がブラックアウトし全道で停電が発生するという事態になり、落ち着かない中で仙台に向かいました。自然の脅威を改めて感じています。

発表内容は『川越市鶴川座の音響的復原その2 音響シミュレーションによる音響的復原の試み』と題して行いました。昨年は『川越市鶴川座の音響的復原―その1 3Dレーザースキャンデータの音響シミュレーションの応用』と題して発表いたしましたが、その続編となります。

本報告は、ベルリン工科大学のクレメンス・ビュトナー氏、東京大学生産技術研究所の助教 森下有氏、および弊社の共同研究になりますが、音響シミュレーション技術を補強するために、元東工大特任教授の清水寧氏にも加わっていただきました。
研究の目的は、前回計測した現状の空間の3Dレーザースキャンのデータや『伝統技法研究会著 旧鶴川座保存活用計画調査 報告書 平成21年(2009)3月』などを参考にして、芝居小屋当時の空間を推測して、音響的な空間を復原することが目的です。

音響的復原は音響分野では新しい技術で、ベルリン工科大学のクレメンスさんのいらっしゃる研究室(ヴァインジール教授)の主要なテーマになっています。

また発表原稿の表紙にはRAMSAの西さんが大正時代の鶴川座の雰囲気を描いた建築パースを、承諾を得て使っています。鶴川座は明治26年に川越大火があり、その後仮設で作った川越座を立て直し、明治31年に建設されました。明治32年、川上音二郎一座が演劇史上はじめての海外公演し、初めて女優の貞奴が誕生した時代です。鶴川座からも当時の新しい時代の息吹を感じます。



以下、発表原稿です。