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2014/06/03

横浜ボートシアター公演 『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』『創作影絵人形芝居 極楽金魚』  会場「自在・南軽井沢稲葉邸」

公演は5/31(土)と6/1(日)の2回。私は5/31に伺った。
会場は、横浜駅から徒歩16分ほどの近さではあるが、うっそうとした山のふもとにある古民家「自在・南軽井沢稲葉邸」。最近狐が出ると所有者が仰っていた。戦後直後に建設されたで典型的な日本家屋で、その中の中心的な空間、二間続きの畳敷きの和室で公演が有った。床の間側の部屋に舞台を設定して、反対側の部屋が客席と設定されている。部屋の周囲は縁側が有り、その外側は日本的な庭園となっている。縁側の反対側は廊下で玄関や水場につながっている。縁側と座敷の間には障子があり、廊下側は障子と襖で仕切られている。

開演は18:30、ちょうど日が沈んで薄暗くなり始めた頃。いくつかのろうそくを立て、ゆらゆら光が揺れる中、ざしきぼっこの語りがエレキギターの伴奏とともに始まった。障子は半分開いて庭が見え、次第に外が暗くなっていく様子がよくわかる。観客は座布団に座り、思い思いの向きで、また何人かの小さな子どもは親に寄りかかりながら舞台の語りを見ている。
宮沢賢治の物語で奇妙で少し怖い話であるが、自然の中で聞いていると語りの声の調子も説得力を増し、現実の様な錯覚に陥る。

二つ目は「影絵人形芝居 極楽金魚」である。この話の元は高松の郷土人形「奉公さん」の由来をもとに作られたとのこと。
客席側の照明も落とし、スクリーンの後ろにスポットライトがあたり、影絵が映しだされる。
長者の息子が重い病気にかかり、長者に買い取られた娘が子供の病のもとを吸い出し、子供は直るが娘は病気になり、小船に乗せられ焼かれてしまう。娘は頂天眼(金魚)になり、天に昇っていくという話である。
このような話も、日本家屋の自然を感じる空間で見ていると臨場感があり、観客皆が同じような感覚を共有した気がした。