9月1日(18時半スタート)、リニューアルした南大塚ホール杮落公演の「トキワ荘の夏」という公演を観ました(YABは音響設計を行いました)。
大塚駅を降りると、駅の前の大通りで阿波踊り大会が行われており、ものすごい人混みでした。
普段、ホールまでは駅から5分ほどですが道路を横断することができず、阿波踊りの太鼓のリズムが楽しげに響く中、混雑を迂回して公演に大幅に遅刻をしてしまいました。それでも一番後ろの場所に折り畳み椅子を持ち込んで、幸いにも座らせていただけました。
トキワ荘は漫画家が輩出したところとして有名ですが、主人公は何と手塚治虫ではなく、石ノ森章太郎です。若手が先輩を追いかけ追い抜いて行く、切磋琢磨する話です。追い抜かれそうになる手塚治虫のちょっとさみしい、しかし最後の場面で新たな手法で復活を予言させるような台詞もあるなど、活き活きした舞台です。また舞台だけでなく観客席の通路を花道の様に使って演出していました。好感のもてる公演でした。
設計者としては、声がどう聞こえるかが気になっていたのですが、役者の声がしっかり前へ出て力強く聞こえてきました。このことが、改修前の扇型の観客席の側壁を舞台の端から徐々に反射面をつくって広げていくことで、初期反射音を客席に返す工夫をした効果だといいと思っています。とにかく演劇には良いホールとなっています。
阿波踊りの様子