6/8(金)横浜みなとみらいホールで、神奈川大学吹奏楽部のコンサートがありました。非常勤講師として教えている神奈川大学建築学部の学生にも、吹奏楽部の学生がおり、練習を見させてもらったこともあります。
前半は寺井尚行作曲 『ウインドオーケストラのための「時間が空間を舞う(ときがそらをまう)」』、福島弘和作曲 『アイヌ民謡「イヨマンテ」の主題に よる変奏曲』、2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲より、真島俊夫作曲 『鳳凰が舞う-印象、京都 石庭 金閣寺』で、後半はヨハン・セバスチャ ン・バッハ作曲『トッカータとフーガ ニ短調BWV565』、クロード・ドビュッシー作曲『喜びの島』、モーリス・ラヴェル作曲『「スペイン狂詩曲」より 祭り』、ジョルジュ・ビゼー作曲『「アルルの女」第2組曲より第4曲ファランドール』、アンコール曲はアラビア風の『ナジムアラビーノ』、『美空ひばりメ ドレー』、『星条旗よ永遠なれ』。
前半は日本人の作曲者の作品で、最初の「時間が空間を舞う(ときがそらをまう)」』の「時間(とき)」は朱鷺を表現しており、たくさんの朱鷺が空を舞っ ている様子を感じさせる雄大なものでした。日本人の作曲者のものはコンサートでは、あまり聴く機会がありませんが、吹奏楽器とハープやコントラバス、打楽 器、和太鼓などがとても豊かな音を出し、演奏も力強くすばらしかったです。「鳳凰が舞う」は、実物の笹を舞台で揺らして、風で葉がそよぐ感じを表現した り、獅子脅しのような音、フルートによる篠笛のような音もあり、非常に臨場感があり印象的でした。毎年のように金賞を得ている神奈川大学の吹奏楽部の実力 を感じました。
数年前に、知人でもあるKinbo Ishii-Etoが指 揮するベートーベンの「田園」を聞いたときに、出だしの音が野原を吹き渡る春風のように聞こえたことがあります(この話はKinboに楽屋まで行って伝え ましたら、喜んでいました)。Kinboは音の効果のために、楽器の並べ方を工夫しているそうです。例えば、コントラバスは一般的には上手側に固まってい ることが多いですが、横一列に並べるなど、演奏の効果をより発揮できるレイアウトに、曲ごとに柔軟に変えていきます。また、今年の1月に山本寛斎演出の 「太陽の船」というイベントを東京ドームに見に行った際、300台の和太鼓の生演奏では、波のように音が動く、生き生きとした臨場感を感じました。
コンサートでは楽器の位置から音が聞こえることと、その音を効果的に表現することは芸術的な表現内容を広げ、臨場感が増すため、非常に重要なことと考えています。