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2007/03/19

『平家物語ヲ語る、読む、弾ク』

3/17、後藤浩吉(琵琶弾き語り)、高橋和久(朗読、元横浜ボートシアター)による、『平家物語ヲ語る、読む、弾ク』を観に行きました。
会場のBar TAMAGO(JR四谷駅から歩いて7分)は、大きな空間ではありませんが、お客さんは30名ほど、会場は一杯でした(テレビでよく拝見する方もいらしていました)。また、平家物語を題材としている作品にもかかわらず、20歳代と思われる人が大部分でした。

ストーリーは壇ノ浦から始まり、先帝御入水、木曾義仲の最後となります。
後藤さんの弾き語りの、胸に響くびりついた音と悲しい物語の謡、そして高橋さんの地から搾り出して湧き出るような朗読は、「もののあはれ」を感じさせ、立体的な物語の劇空間を作り出しました。日常から離れられることも、劇空間の一つの役割です。

後藤さんは、最近CDアルバム『田舎人のうた』をリリースされました。録音は音楽バー「国境の南」という場所で録音されたとのことです。響きに関して言え ば、日本の楽器には日本の本来の空間(木造など響きが少ない空間)が合うと思っています。ヨーロッパの弦楽器は、目一杯響く空間でないと豊かな艶のある響 きが得られませんが、日本の楽器、琵琶や三味線はそのものが響きを持っており、響かない空間にあっていると思います。後藤さんは熊本出身だそうなので、私 は、昨年行った熊本の芝居小屋「八千代座」は響きも含めて日本の芸能空間そのものなので、次回はぜひそこで録音してみてくださいとお伝えしました。

なお、たまたま翌18日(日)にNHK教育テレビ「まつりの響き 第7回地域伝統芸能まつり」を見始めましたら、のっけに平家琵琶「先帝御入水」から始まりました。昨日聞いたばかりで、不思議な縁だと思いました。