現在著者川田学は、北海道大学大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター教授であるが、実は私の甥で、新婚の時には、我が家の1階に何年か同居していた経験がある。専門は発達心理学だが、我が家にいたころも釣りが好きで、近所にある釣り堀にいって、大物を吊ったことで、コンクールで優勝して、暫く名前が貼られていた。脇道も本物志向だ。
この本で著者が言いたいことは、自我の発達について、子供の1~3歳の頃の時期の成長の仕方が最も重要だと言うことだ。日本ではこの時期、いやいや期と呼んでいる。大人目線で見るので、これをしたらダメ、あれをしたらダメの場合にすべていやいやという反応が返ってくることからだろう。それを子供主体に考えると、ぶらぶら期といえるのだと。
その時期、著者は、ぶらぶらすると言うことは、自由気ままな行動であり、環境探査をしているのだと。そして自ら「ブラブラ」で気づいたことや見つけたものが、他者と共有する気持ちの原動力となっていく。これが自己と他者(社会)をつないでいく橋となる経験なのではないかといっているのだ。
この自我を自分で気が付くためには、自我の変容、すなわちゆらぎが必要だと。
保育教育という大人目線で考えた子供主体の教育というような大人の都合の良い「よい子」という文脈ともことなる、はっきりした状態でないことが好ましいといっている。
これが子供保育に対するコペルニクス的転換だ。
著者は本の中にも少し書いてあるが、学生の時に、バンクーバーから北極海を目指して自転車でテントをもって、旅行をしたことがある。よく熊などに襲われないで無事いけたとおもう。しかしこの時から現場で確認する、実証するなどのエネルギーがあると感じられた。この本で現場での実証主義が実を結んだ感じだ。