日時:2025年6月7日(土)昼の部(この日は夜の部もあった)
会場:青葉公会堂、青葉区役所に隣接したところにある。満席
出演:横浜都築太鼓、ゲスト:絆組
また波が浜辺に打ち付けてヒタヒタと引いて聞く様子を太鼓にした曲だとか、篠笛を2人とか3人で吹き、低音の時には、水面の波紋のようにゆっくりと唸り、高音の時には、木の葉がきらきらとして唸る様子なども表現されていた。クラッシク音楽などでは、人間の意志。感情を表現することが多いが、自然を題材にする方向は新しい表現の仕方と思われる。また陣太鼓とは違った表現である。とくに大太鼓では重低音が生かされていて、普通にあるスピーカでは再生が不可能な感じだった。要するに胸で振動を感じるなどのことは、現地で、生で聞かないとスピーカによる再生ではこのような振動は感じられない。このことは聴覚障碍者にとっても感じられる部分である気がする。何かヒントになるかもしれない。今回の公演のテーマは「ひたむき」というので、おそらくひたむきに太鼓等をたたくという意味のような気がするけれど、曲の発想は、自然のこと、海や波や風や太陽などの現象から発想したように思う。おそらくこれは単にひたむきなだけではなく、新たな発想から生まれたもののような気がする。大変楽しかった。
またゲスト出演で、途中に「絆組」というグループが出てきた。能で言えば狂言のような雰囲気で、笑わせた。着物を着ていて、舞台袖に入ったとたんに着物を早替えして現れる。それを何回もだからびっくりしてしまう。また着物を着たまま1mほどの高さの舞台から飛び降り、観客に接吻をしようとする。大太鼓をたたいているときに花魁姿で通り抜けるなど、ずっこけたところが何とも言えない。しかもこの人はサンパウロ出身の日系の響一真、チラシには日経3世と書かれている。これもずっこけの一つだろうね。しかもこれも言葉ではなく、ほぼ視覚に訴えるもので、多分聴覚障害の人も楽しめるものだと感じた。
観客には青葉公会堂という地元の公会堂なのかもしれないが、外国人はほぼ見かけなかったが、出演者には太鼓をたたいている外国人がいた。思い出した。私と一緒に仕事をしていたアントニオさんも太鼓を浅野太鼓の響和館のグループと練習していて、舞台に出たことがある。いまは日常的に外国の人が生活しているのによく合う。散歩をしているときにも時々自転車にのっている人や散歩をしている人を見かける。太鼓は歴史は古く、多くの国で使われている。このコンサートを知ればより多くの外国から来た人が興味を持ってこれるのではないか。
この青葉公会堂は、この太鼓のコンサートでは、幕設備状態で行っていた。この音響状態では太鼓のコンサートは快適だった。このホールに可動音響反射板があるのかよくわからないが、このホールの名前は講堂と有るので、どちらかといえばクラッシック音楽よりは、講演・演劇・オペラ、このような太鼓のコンサートが合うのだろう。近くには横浜市のフィリアホールがあるので、クラシック音楽はそちらに任せた方がよさそうだ。
写真: 青葉公会堂、舞台がはねた後に撮影
写真:舞台がはねた後の響一真の花魁姿