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2013/04/11

ヴィトルド・ルトスワフスキ生誕100周年記念コンサートと杉原玄一郎オーボエリサイタル Epitaph


3月25日(月)、紀尾井ホールで開かれたコンサートに行ってきました。ポーランド広報文化センターの主催です。曲目はルトスワフスキの「弦楽四重奏曲」、ショスタコーヴィッチ「弦楽四重奏曲第8番ハ短調」、マルコヴィチ「弦楽四重奏曲第3番」、シマノフスキ「弦楽四重奏曲第2番」で、20世紀ならびに21世紀に作曲された曲です。

演奏はルトスワフスキ・カルテットで、ルトスワフスキの名を冠した弦楽四重奏団です。
第二ヴァイオリン担当のマルコヴィチは作曲家(30代前半)でもあります。

ルトスワフスキは1913年1月25日生まれで、今年で生誕100周年、1994年に亡くなっているので、つい最近まで活躍されていた作曲家です。ポーランドに生まれ、1931~33にはワルシャワ大学で数学を学び、1932年にはワルシャワ音楽院に入学して、1936年に卒業。1939年大戦勃発ですから苦難の青春の時代を想像します。

曲目は現代音楽ですが、構えて聴かないといけないようなものではなく、ショスタコーヴィッチも含めて、柔らかい音が中心でした。いずれもいろいろなことを想像しながら、何を伝えたいかなどを思いながら聞きました。
曲目ルトスワフスキの弦楽四重奏曲は、勝手に想像するに、地球に生命が誕生して、それが滅びて、またそれが繰り返されているようなことを感じ、生命に対する愛おしさを感じます。



3月30日(土)、杉原玄一郎氏のデビューリサイタルがトッパンホールで開かれました。
杉原氏はボストン留学時代に、指揮者で友人のキンボー・イシイ・エトー氏の友人だったために、日本でのキンボーのコンサートでよくお会いしていました。

リサイタルは、ルトスワフスキの作曲した曲名の「Epitaphエピタフ」と名付けられていました。演奏曲目はバッハの「ソナタ変奏曲変ホ長調BWV1031」、プーランクの「オーボエ・ソナタ」、ルトスワフスキの「オーボエとピアノのための墓碑銘(エピタフ)」1979年作曲、シルヴェストリーニの「オーボエのための6つの練習曲」より第一番、スクリャーピンの「ロマンス」、クララ・シューマンの「3つのロマンス作品22」、ほかアンコール曲数曲。杉原玄一郎はミシガン大学で分子生物学を学んだ後、ニューイングランド音楽院に入り直したとのこと。ちょっとルトスワフスキに似ています。

トッパンホールは満席で演奏も次第に乗ってきて、エピタフの難曲を自信をもった力強いオーボエの音で演奏されていました。また聴きに行きたく思っています。