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2009/06/16

荏田町の散歩道

弊社がある荏田町は、大山街道を江戸から歩くと最初の宿場町にあたります。事務所から2~300m東に行くと、246号線の荏田の交差点があります。


旧大山街道は、246号線をこの交差点で直交していたようです。手前に戻って、下の写真の建物あたりが宿場町の中心街だったようですが、現在は、その面影は全くありません。
シャッターが下りているお店は、数年前まで電気屋さんでした。右隣りは江戸時代からあったという床屋さんでしたが、現在は営業をしていません。その隣りは美容院、左隣はスナック、そしてすし屋さんです。この建物の向かい側には、現在はセブンイレブンになっていますが、かつては江戸時代から続いた赤田屋さんという酒屋さんでした。


この荏田の交差点をさらに東に進むと左側の民家の庭のなかに、常夜灯という灯篭があり、
(民家のため、周りをぼかしています。)


そこからさらに進むと庚申堂があり、宿場町の入り口であることが分かります。


その先には早渕川があり、橋から下を見ると、大きな鯉が泳いでいます。




この狭くてやっと歩けるくらいの大山街道と平行に荏田商店街があります。


しかしここもかなりシャッターが下りています。現在は、商業施設は、美容院やコンビニ、酒屋さん、現金屋という学生服などを扱っている洋服屋さんなど数が限られており、飲食は、すし屋さん、飲み屋さんだけです。店は、次第に学習塾などになっています。この商店街は、246号線を歩道橋でしか越えられません。したがって246号線を越えた江田駅側にある人たちは、大変行きにくい状況です。この商店街の中ほどを西側にちょっと脇に入ると真福寺という寺があり、ここには国の重要文化財の木造釈迦如来立像(寄木造)がある、落ち着いたいい雰囲気のお寺です。しかしこの釈迦如来立像は、弊社近くにあった釈迦堂から移設されたもののようです。弊社の昔の住所は、大字釈迦堂谷といっていて、現在弊社の南側にある公園は釈迦堂公園といっています。





また荏田の商店街をさらに南に行き、柚の木交差点を右に暫らく行くと、剣神社があります。




先代の神主さんまで神楽を演じていたようで、江戸時代はかなり遠くまで出張して公演をしていたようです。

この荏田の商店街は、かつての荏田宿の中心街であったのですが、現在は田園都市線のあざみ野駅、江田駅からも遠く、さらに南側は、港北ニュータウンがあり、大規模な商業施設が出来ています。したがって商業的には大変条件が悪いです。看板だらけでさみしい風景です。


歴史もあり、現在もこのような神社や寺のあるこの街を、何か魅力的にするにはどうしたらよいか。1つは、かつて地元の子供たちが泳いで遊んだ早渕川です。今はひっそりと街と無関係に存在していますが、例えば桜並木などがあり、せせらぎを感じる散歩道になっているといいと思います。今でも、鯉のほかにサギや鴨もいる魅力的な川です。また、真福寺や剣神社は由緒ある文化施設であり、地元が一体となるような、御祭りや神楽その他演劇や音楽があるといいのではないでしょうか。また、この商店街の周辺には、畑や水田など里山の風景が残っており、新鮮な食べ物が付近にあるのですから、都市と農村の接点としての役割があるような気がします。一番の魅力は江戸時代から栄えた歴史のある街だったということだと思います。