日時:2025年8月2日(土) 開演14:00
場所:ボッシュホール(都筑区民文化センター) 客席は300席
タイトル:JAZZ ME DANCE このタイトルは JAZZ ME Bluesから来たようで、多分JAZZは私をBLUESにさせるをもじって、JAZZは私を踊らせるというような意味かも。
演奏は、各個人名はチラシにあるが、グループ名は書かれていない。ただし司会は紗理さんで、VOCALを担当している、またDANCEはすけさん(戸山雄介)さんです。
このボッシュホールは、隣接したボッシュの本社と、一体に開発された都築区民センターで、その中にボッシュホールと名前をつけたホールがある。ホールは音響反射板を備えた多目的ホールであるが、舞台と観客の交流などのような、積極的な何かこれといったホールに対する意識が感じられない。建設工業新聞(2025年3月17日(月))によれば、ボッシュホールの設計施工は竹中工務店、ボッシュ本店の設計施工は大林組である。
実はJATET(劇場演出空間技術協会) のNo.95、2024/25WINTER版で、西 豊彦氏が、米国ヴェニュー訪問記2024のいくつかの新しいタイプの馬蹄形のホールを見学したあと、おわりにに「ワーグナー祝祭劇場から始まった扇型の客席は今日では、映画館と同じパースペクティブな機能しか持たず、観客の反応をむしろ阻害するという考えが欧米の劇場設計の主流になっていることに国内の劇場は追いつけていない。」を思い来させるものだった。そういえば、20年ほど前になるが、磯子区民センター杉田劇場の設計に私が音響でかかわった時には、ACT環境計画の林さんが劇場技術でかかわり、前方に桟敷席や、可動の花道を作り、15年ほど前には清瀬市民会館の改修時に、空間創造研究所の草加さんが舞台技術で参加し、やはり桟敷席を設置し、扇型のホールを変更して、初期反射音を客席に返るようにし、観客席を取り囲む桟敷席を設けることが出来た。
これもやはり15年ぐらい前になるが、IMAYO CREATIONの今用さん、作曲家のテン先生とカザフスタンのアスタナホールの改修計画をたてた。現状は1方向の客席であったが、これに図のように舞台・客席を取り囲むように、桟敷席を設ける計画案をたてた。どの案もいかに舞台と観客席とを一体化するかという試みである。
図 アスタナホールの現状の平面図
図 桟敷席を追加した改修案
図 桟敷席を設けた改修案
ボッシュホールの単に視覚的に頑張って作ったが、舞台と観客との一体感の見られないと書いたが、コンサートのチラシには「1930~40年代のスイング時代に活躍したダンスバンド(ビッグバンド)ではステージセッティングが演出やバンドの個性と密接にかかわっていました。」「、、、、ドラムソロや華麗なスティックさばきを客席からよく見せるため、前方に配置されていました。さらにサヴォイ・ボールルームの様なダンスフロアでは、観客やダンサーと一体感を出すため、ドラムを前方に置くことで、距離を縮める工夫をされていました。」とあり、チラシに説明はないが、多分サヴォイ・ボールルームの写真もあった。このサヴォイ・ボールルームは、平土間で、演奏者とダンスをする人が同じフロアに存在している。以前私は横浜ボートシアターが遊行寺の本堂で小栗判官・照手姫の公演や、日暮里サニーホールでのガムランの演奏も平土間で、行っていて、舞台と観客席が同一フロアだと、一体感が生まれてくることを感じた。サヴォイ・ボールルームでも同一フロアにして、演奏者とくにドラムを前面に出し、ダンスをする人たちと一体になるように試みたと思う。
写真:サヴォイ・ボールルーム(多分)の写真、チラシから抜粋
このようにチラシに書いてあって、今回は演奏者側が観客といかに一体感を出すかということに努力していた。
まえがきが長くなってしまったが、公演は素晴らしかった。 有名なOn the Sunny Side of the Streetも素晴らしかったが、非常に感動したのは、ドラムのみとダンスの場合で、気持ちがわくわくした。さらにドラムをたたきながら黒人霊歌を唄ったときも素晴らしい声だった。チャールストンを踊ってみようというところでは、観客全員を立たせ、チャールストンの基礎的な踊りを教え、皆さんにチャールストンにデビューしてもらったと喜んでいた。またテナーサックス奏者の中村誠一さんは、生まれは私と同年で、しかもこれも格好がよくて感激した。