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2024/11/10

みなとから考える横浜のまちづくりシンポジウム カジノは止まったけれど山下ふ頭、市民不在の大型開発でいいの?

 日時:2024118日(金)19時~21

場所:横浜開港記念館 1F 1号室 (参加者が満席以上だった。)

主催:市民のための山下ふ頭シンポジウム

司会:椎名純子、コーディネーター:角野渉、

開会あいさつ:清原 理、閉会のあいさつ:中村寛三

講師:山下ふ頭の跡地活用事業について:大方潤一郎、

市民参加のまちづくり:坪郷實

講演:大方氏、この山下埠頭はそもそも市の施設、すなわち公共空間である。「都市の有効活用」という視点は不要だ。以前出した「みんなの山下ふ頭に〇〇があったらイイナ実行委員会」の企画書の案は市民の共創エリアと一般開発エリアがあるが、市民の要望をすべてこの共創エリアに押し込む必要もなく、また一般開発エリアを設ける必要もない。公共投資の一環として、不要になった倉庫等を取り壊し、もっとも市民のためになる公共空間を整備すれば良いと。市民の資産である土地を私企業に売却して金儲けのための私財にするのではなく、市民共有の資産(コモン)としての自由で自然豊かな空間にすること。

講演:坪郷氏、「市民参加はデモクラシーの心臓」が主要なテーマで、今は各自治体が途中の計画を市民に知らせず、進めてしまうが、市民が参加できるように法律を変更すべきだと言っていた。これは重要なテーマだ。

 参加者からは、砂浜の実現、山下埠頭で小さい頃釣りをしていたといった興味深い話があった。最近私は早淵川(鶴見川の支流)に散歩に行って、その大きな楽しみは、その川に小さな魚がたくさんいること、それを狙いにアオサギやシロサギや鵜がときどき飛んでくる。さらにカワセミもセキレイもたくさんの鴨やスッポンもいる。さらにとんでもないことに50㎝ぐらいのコイもたくさん泳いでいる。さらにこの小さな魚を釣りに来た人や、さらになんというか!このでかいコイを吊ろうとする子供も現れた。さらに川に入ってスッポンを捕まえようとしている子供もいた。たかが小さな出来事だけれど、この川に来るとなぜかほっとする。私の子供の頃も川で釣りをしたり、泳いだりしたことがある。このような自然が山下埠頭の周辺にも存在できるようになると山下ふ頭も相当身近になる。私が小学生の頃、山下公園には何度か来たが、木も少なく寂しげだった。しかし今考えるとかつて山下公園は関東大震災時に出たがれきを捨てた場所だということが分かった。したがってできた当初は公園としてはさみしいところだったが、今や素晴らしい公園になっている。講演のなかで、シドニーオペラハウスの話があった。前市長がこの場所にこのようなオペラハウスをつくろうというのだった。シドニーオペラハウスは大成功だったが、後背には緑の大自然が構えている。この中でのオペラハウスなので、美しくできたのだと思う。自然をメインに計画出来たらよいと思うが、どう横浜市の計画の中に取り込めるのだろうか!私はふね劇場がこの山下埠頭に係留できるといいと思う。私が学生を卒業したころは、劇場は、赤テントや黒テントにばかり行っていた。当時、残念ながらこのふね劇場は行ったことがなかった。しかし音響的に考えるとこのテント劇場より圧倒的に素晴らしい空間である。テント劇場は、とにかく俳優の声は皆かれてしまって、ガラガラの声になっている。ふね劇場は、形は、今の劇場らしくない自然に存在する艀である。このふね劇場もこの山下埠頭再開発の中に取り込もうと思う。今日の講師の提案のように、まず行政の中に法律的に市民が参加できるような仕組みを作る必要があると感じた。しかも前回の講演のように艀を横浜の大事な文化財として扱うような仕組みを作ること。

                           写真:横浜開港記念館(入館前夜7時ごろに撮影)

※この建物は、大阪市中之島公会堂と並び、大正期の公会堂建築の有名な建物だそうだ。設計原案・基本構造設計は福田重義、山田七五郎で、関東大震災で倒壊してその後復興されたとのこと。塔の高さは約36mで 「ジャックの塔」の愛称で親しまれている。(ウキペディアより引用)