日時2024年10月6日(日)14時 横浜人形の家集合、街を歩きながら、船劇場へ
場所:船劇場 満席であった。
講師:河北直治氏(横濱界隈研究家)、松本和樹氏(横浜都市発展記念館調査研究員)、
朗読:横浜ボート―シアターの奥本聡、松本利洋、岡谷幸子、桐山日登美、増田美穂、
演出・司会:吉岡紗矢、主催:横浜ボートシアター
講師の松本和樹さんの話は、戦後 艀は荷物を運ぶだけでなく、艀の中で生活をしている人々がいて、その子供たちは、毎日学校に通うことはできず、水上学校というものがあった。そこには寄宿舎があって、毎週土曜日になると艀の家に帰れるようで、その生活が子供たちの学校の作文に残っていた。艀は、東京や横浜や千葉などに、荷物を運ぶことをしていて、土曜日にはたまたま艀が横浜にいるような場合には、東京の学校で電車賃をだしてくれたようだ。そのような話を劇団の人が生徒の作文を朗読してくれる。話の半分の時間は朗読だった。講師はマイクを通して拡声しているが、朗読は生の声だ。私は音響技術者だったので、今回の講演で、一番感じたことは、マイクを通して拡声された音を聞く場合と、朗読を生で聞く場合と感じ方が大きく違うということだ。マイクを通して聴く音は客観的に聞こえるが、生の声はそこに生徒がいて朗読しているような感じになる。劇団の人が朗読したので、余計に現実感が出てきたのかもしれない。しかも奥本さんと松本さんの声は、はっきりして大きい声で訓練されていた声だ。また船劇場は側方の壁が矢板のように凸凹波打っていて、側方反射音を強く拡散しながら反射するようになっていて、響きをある程度もたらすとともに、声・音像を明瞭にする働きがある。艀の素晴らしいところだ。今日の話は艀の約50年前の具体的な生活を示したものだが、今後50年後には船劇場が公海のところに実現して、この艀の使われ方を描いた物語ができるような気がした。艀は横浜市の発展の重要な要素だ。これらの気持ちが横浜市に通じるといいと思っている。