本記事は、2018年11月号の「渋谷スタジオ遮音工事」という濱口オサミ氏による記事の続編となります。この渋谷スタジオとは、渋谷の桜丘にあるマンションの1階に計画された木造架構の音楽スタジオで、竣工時には本ブログにも紹介をしています。
床は檜、壁・天井は赤松集成材で、軽鉄等の一般的な下地のない、仕上げが構造体になった架構です。また天井は木造のトラス梁を柱で支えて、その梁に赤松集成材の根太(240×40)を支持させ、さらに赤松集成材の板を載せた構造で、スラブからは構造的に分離した構造です。内部は木をふんだんに使った柔らかな温か味のある雰囲気で、音楽を演奏することに気持ちの良い空間です。
今回の記事は、その設計に対応した音響設計を弊社で行い、内容を記したものです。遮音設計や室内音響の方法などを書いています。中でも床は、一般的な防振床ではなくヘルムホルツ共鳴器を有する床を採用しています。その設計方法について、かなり具体的に書きました。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。なお、この工法はUR等と集合住宅用に共同開発した特許工法です。