5月5日の夕方6時と同時に花火が上がり、同時に大太鼓の大きな衝撃音が始まる。大国魂(おおくにたま)神社の門が開き、6台の大太鼓が町へ出て行く。なにか、ゴジラの足音のようにも聞こえる。街は次第に暗くなり、屋台の明かりが目立つようになると、暗い中を、いくつもの金ぴかで華やかな神輿が目の前を通りぬけていく。地響きのような、遠くの大太鼓の音をかき消すように、シャリシャリという金属の打楽器音と威勢の良い人間の掛け声がある。
大太鼓の不気味な不規則なたたき方は、佐渡の「鼓童」の様な音楽性とは全く違う、大自然の大きさを一気に表現していると感じた。
大太鼓の音は悪霊ないし、大きな自然災害を象徴し、それと人間を象徴する神輿が戦う構図と解釈すると、この祭りは単に伝統的だとか楽しいというより現代的な意味の芸術的な表現または劇画的表現をしているなどといろいろ想像し、屋台で食べて飲むと楽しさも格別であった。