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2015/06/10

こんぴら歌舞伎大芝居と芝居小屋調査


今年の1月19日のブログで紹介した、共同で芝居小屋の音響特性の研究をしているベルリン工大のクレメンスさんから昨年暮れにメールがあり、助成金が取れそうなので、いくつかの芝居小屋などを調査したいとのこと。調査の対象は、旧金毘羅大芝居金丸座、内子座、川越の鶴川座、早稲田大学の大熊講堂を設定し、金丸座と内子座の調査の日程は、4月26日のこんぴら歌舞伎大芝居の千穐楽を見るスケジュールで決定しました。

メンバーはクレメンスさん、東大の森下さん、YABのアントニオと私です。

25日の朝、あざみ野駅で皆さんと待ち合わせをして車で横浜を出発し、その日の夕方に琴平に到着をしました。

翌朝26日、旧金毘羅大芝居金丸座で、まず千穐楽のもちつきを見た後、午前部を観ました。
『伊勢音頭恋寝刃』です。序幕では客席の中で役者さんの「追いかけっこ」があり、「芝居小屋の客席も舞台の一部」が表現されていて、外国人の皆さんも楽しんでいただけました。午後は金比羅宮の参拝をしました。

27日朝には琴平を経ち、途中善通寺に寄り、内子に向いました。内子の伝統的な街並みを散歩した後、5時より内子座の調査を行いました。

28日にはふたたび琴平に向い、夜5時より琴平の旧金比羅大芝居金丸座の調査を行いました。29日朝には琴平を出て夕方、横浜に到着、約2000kmの長旅が無事終了しました。

またこの調査に先駆けて、川越の鶴川座を4月23日に行っており、さらに5月12日には大熊講堂の調査を行いました。

調査の方法は、3Dレーザースキャナーを用いて、空間の形状を把握して、そのデータを用いて室内音響シミュレーションを行おうとするものです。3Dレーザースキャナーは東大の森下先生が担当しています。また鶴川座と大隈講堂では音響インパルス応答の測定もしています。これはYABが担当しました。その後、クレメンスさんにより音響シミュレーションが行われ音質評価を行います。特に川越市鶴川座は、現在は映画館が廃墟になった状態です。これを音響シミュレーションでかつての芝居小屋の音響に復元しようとしています。

また調査に当たっては、川越市役所都市景観課および蔵の会の皆様、内子町役場 町並・地域振興班の皆様、琴平町教育委員会の皆様、早稲田大学文学部の児玉教授、および木造劇場研究会の皆様に大変お世話になりました。
今後データをまとめて、解析・結果が出ましたら学会などに発表する所存です。

川越鶴川座の測定

川越鶴川座の測定

第三十一回こんぴら歌舞伎大芝居の千穐楽のもちつき

第三十一回こんぴら歌舞伎大芝居 千秋楽

内子の街並み

内子座の測定

内子座の測定



内子座外観

大隈講堂測定

大隈講堂測定

大隈講堂測定

大隈講堂測定2階席