内容は、一つ目が芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を新内にしたもので、朗読は津久戸小学校の生徒でした。次は金子みすずの詩「積った雪」を日本舞踊にしたもので、舞踊の先生と小学生が踊るもの、最後は新内「関取千両幟―相撲場―」で、浄瑠璃は鶴賀伊勢笑とのことですが、実は鶴賀若狭掾氏のお弟子さんで、アメリカ人のご婦人でした。多くの小学生が出演していましたが、いずれも基本は鶴賀若狭掾氏が中心になっており、質の高い、華やかな情緒を感じるものでした。これほど素晴らしい文化を、なぜ国が大事にしないかというのは難しいところです。そもそも50年ほど前までは、芸能に対して国の出る幕は無かったような気がします。最初の国立劇場ができたのは1966年(昭和41年)です。その時までは全国に、人々の身近に、芝居小屋がたくさんあったように思います。今よりもっとこのような文化が身近にあったと想像します。
赤城神社 隈健吾設計 |