2015/02/24

新内コンサート

 2015年2月1日(日)神楽坂の赤城神社ホールで新内コンサートを聴きました。新内節は江戸情緒のある三味線音楽付きの物語ですが、最近はあまり聴くチャンスはありません。コンサートのチラシには、人間国宝である鶴賀若狭掾氏が、「日本ほど自国の芸能、とりわけ伝統音楽を大事に扱わない国は世界に例を見ません。」とあり、「それは明治維新から、政府か役人が西洋文化に傾倒し、自国の音楽を蔑視した結果です。そして学校の音楽教育を五線譜による西洋音楽にしたのです。」と恨み節が有り、その後、「ところが今、国も気づいたのでしょうか。学校教育に邦楽を取り入れることの大切さと必要性を感じたのでしょう。改めて伝統文化芸術振興にための事業を、多方面ではじめています。」ということで、今回の新内コンサートは文化庁の事業として、伝統文化親子教室と銘打って開かれたものでした。参加費は無料です。

 内容は、一つ目が芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を新内にしたもので、朗読は津久戸小学校の生徒でした。次は金子みすずの詩「積った雪」を日本舞踊にしたもので、舞踊の先生と小学生が踊るもの、最後は新内「関取千両幟―相撲場―」で、浄瑠璃は鶴賀伊勢笑とのことですが、実は鶴賀若狭掾氏のお弟子さんで、アメリカ人のご婦人でした。多くの小学生が出演していましたが、いずれも基本は鶴賀若狭掾氏が中心になっており、質の高い、華やかな情緒を感じるものでした。これほど素晴らしい文化を、なぜ国が大事にしないかというのは難しいところです。そもそも50年ほど前までは、芸能に対して国の出る幕は無かったような気がします。最初の国立劇場ができたのは1966年(昭和41年)です。その時までは全国に、人々の身近に、芝居小屋がたくさんあったように思います。今よりもっとこのような文化が身近にあったと想像します。

赤城神社 隈健吾設計