2014年度建築学会大会が9月12日(金)から14日(日)まで、神戸大学で開催され、私は、共同研究者として2つの発表に参加しました。
12日の床衝撃音の分野で、神奈川大学の廣瀬君の発表『Helmholtz共鳴器を有する高性能乾式二重床の開発その3 共鳴器構造1ユニットでの基礎実験』、また13日の、あと施工アンカーの分野では『静充填型あと施工アンカーの実用化に関する研究 その1からその5』の一連の発表の内の最後、『その5 試験体における騒音振動測定結果』と題する水上さんの発表です。
Helmholtz共鳴器を有する遮音二重床は、床衝撃音が10dB改善できる二重床で、数年ほど前に開発し、現在は施工性・コストの面からの改良を目指しています。現在UR都市機構、神奈川大学、江尻建築構造設計事務所、そして当社の共同で実用化に向け実験を行っています(実験は、神奈川大学およびUR技術研究所で実施)。
主の目的は、数十年前に建設された集合住宅の改修をする際に、当時の薄いスラブの床衝撃音を改善することにあります。
当時の平均的な110mm厚のスラブでは、重量床衝撃音(タイヤ)ではLH-70ほどになります。それを開発中の遮音二重床によって、LH-60ほどに改善することを目標としています。従来の二重床のほとんどは、施工後に素面よりも重量床衝撃音が大きくなってしまうため、開発が急がれます。
同様に、静充填型あと施工アンカーも集合住宅の耐震改修に適応できるように開発を行っています。私の方の発表では、この工法は騒音・振動を低減しているために居住しながら(居付)改修を行えると紹介しています。
従来型のハンマードリルと、ドリルでコンクリートを削り取るタイプ(コアドリル)では騒音が25dBAほど違います。2軒隣の住戸では45dBAを下回るほどで、人が住みながら工事をすることが可能です。
また明治大学中野キャンパスで行われた、騒音制御工学会の秋の大会(2014年秋季)大会でも神奈川大学の安田先生の発表に、共同研究者として参加しました。
9/18午後の、新しい騒音・振動対策技術と適用事例の分野で、『Helmholtz共鳴器を有する高性能乾式二重床について』と題して、その理論的な面を考察しています。