2010年10月31日(日)17時半、第7回つくばフクロウの森コンサートがありました。
タイトルは「西村佳子 メゾソプラノリサイタル」、ピアノ伴奏は江澤隆行さんです。昨年の今ごろにも同じメンバーでコンサートがあり、ブログで紹介させていただきました。
江澤さんが、最初はスカルラッティの「すみれ」という曲で、300年前の古い曲ですと説明され、この家はそれより30年も古い時代にできたのです、とおっしゃいました。なるほどこの古民家は古いと感心したものです。
前日(10/30)は、台風14号のために大雨、当日は小雨交じりの良くない天気でしたが、ほぼ満席となっていました。
前半はオペラのアリアを、後半はポピュラーソング中心の内容でしたが、とくに前半のカントルーブ作曲の「かっこう」がカッコウの鳴き声をまねたとてもかわいらしいものでした。
会場は、床は畳、主な壁は襖と障子なので、ホールの様な響きはありません。ですが、土壁やガラス障子や天井からは反射音が来ているはずです。歌手は目の前3~4mのところで歌っていますが、歌は明瞭で、細かなニュアンスも伝わってきます。私は、歌手にとっては響きや返りの点が気になっていましたので、このような場所でも大丈夫かと講演後に江澤さんに聞いたところ、歌いやすいとのことでした。観客と一体感があって、このような場所は素晴らしいとおっしゃっていました。江澤さんの話や西村さんの歌を聞きながら観客が盛り上がっているのを見て、観客も舞台と一体化していると感じていました。とても満足して帰りました。
このコンサートは、つくばの地域計画の一環として行われているようで、もう7回にもなります。また次回は、11月20日、21日と「つくば田園都市居住シンポジウム」が開かれる予定で、そのあとにピアノ三重奏のコンサートも計画されているようです。
私も関係している「横浜ふね劇場をつくる会」では、鉄の艀による「ふねの劇場」ができてはいるのですが、市民活動の力及ばず、公共の海に常時浮かばせることができず、年に1回、1か月の限定で海上での公演の許可を受けられることにはなっています。しかし、ふね劇場を艀だまりの山下埠頭から公演できる場所に移動したり、公演のための発電機などの道具を借りたり、舞台設備の操作のための人件費などの公演の費用が捻出できず、これまで1度しか公演が実現できていません。やはり常時決まった場所に置けて、絶えず練習や公演ができるような状態でないと使いこなせないような気がします。
1981年に中村川に木造船を浮かべ、横浜ボートシアターが旗揚げしました。おはこの「小栗判官照手姫」が評判で賞(1984)をいただいたり、横浜水辺賞(1984)1や横浜文化賞(2001)などをいただいているのですから、横浜には貢献をしているはずです。しかし、実績が継続され積み上がっていません。つくばフクロウの森コンサートのように、町おこしの手段となるよう実績を積み上げるしかないのだと想います。ふね劇場も、同じように観客と舞台が一体化できる空間で、音響的には音楽も演劇も可能な空間です。しかも港横浜の象徴ともなれる存在です。来年2011年には公演を計画しています。再出発です。