2010/08/04

平井先生の講演会「復元するということ -東京駅はそのまま復元してはいけません-」

2010年7月28 日(水)東京工業大学(緑が丘講義棟)で平井聖先生の講演会が開催されました。平井先生は、建築史、とくに城郭建築がご専門で、NHK大河ドラマの時代考証のご担当としても有名です。今回「復元」をテーマに講演とのことで興味があり、聞きに行くことにしました。

講演は、城郭建築でも奉行所の復元(お白洲のある裁判所、実はお白洲には屋根がある、一般のテレビドラマの空の下のお白洲は嘘)などの実例を説明され、最後に本題の東京駅の復元のあり方について、ご説明されました。東京駅周辺の、現代と全く違った明治時代の風景などを紹介され、そしてご自身でコンペに出品され佳作になった案についても触れ、ご説明されました。

東京駅は日清戦争がはじまった頃に建設が始まり、第二次世界大戦で焼失した軍国主義の象徴の様な建物であるから、復元の仕方としては、半分は建設当初のもの、半分は原爆ドームのように空襲で焼失した状態を復元し、敗戦の証としたいという内容でした。
私は、東京駅の復元について、もう少し当初の建設状態に忠実に行うべきといった話だと想像していたため、このような考え方もあるのだと感心をいたしました。
このように歴史や建築に対する基本的な考え方によって復元の内容が大きく異なってくることが理解でき、その奥深さを感じました。

私も、ここ数年芝居小屋の音響調査を行っていたため多少建築史に近い研究をしたと思っていますが、音響空間の建築史という分野も必要ではないかと思い始めているところです。
機会があれば、平井先生にこのようなお話をしたく思いました。