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2010/07/12

ブブゼラの音

ワールドカップサッカーが、本日スペインの優勝で終了しました。
今大会、非常に印象的だったのがブブゼラの音でした。最初に聞いた時は、なんと威嚇的な音だろうと感じました。南アフリカの伝統楽器ということですが、この楽器でどのような音楽を演奏するのだろうか、サッカーの試合にもうるさくて邪魔ではないかと思いました。しかし、テレビでサッカーの試合を見ているうちに、その違和感が薄れてきました。しかも7月8日の朝日新聞の朝刊に、元NHKアナウンサーの山本さんが「選手がいいシュートを放つと、一瞬、ブブゼラの音が途切れ、再びブーブーとなる。うねりのようなものが自然に作られている。アナウンサーは、その波を体で受け止めて、しゃべることができる。」と好意的な意見を書かれていました。

ところで、日本にもこのような楽器は無いかと考えていたところ、6月23日の朝日新聞朝刊の「青鉛筆」の欄には、ブブゼラによく似た楽器として、秋田県立博物館に展示されている祭礼道具の「木貝(けや)」が紹介されていました。長さ55cmの木製のタケノコのような円錐形の形をしたもので、「ブオーン」と響くと書かれています。今も秋田県内の祭りに登場するとのことです。

そしてさらに似たものを発見しました。一作日(7月10日夕方)のことですが、池袋近くの護国寺で四萬六千日法要があり、その前に黒沢博幸氏による津軽三味線の奉納演奏が本堂で行われるとのことで、それを聞きに行きました。津軽三味線の始祖「仁太坊(にたぼう)伝説」と題し、仁太坊の生い立ちや、津軽三味線の演奏法があみだされた背景などを説明されながら、演奏が行われました。本堂は満席で、津軽の風景が浮かぶような素晴らしい演奏でした。その後法要が始まり、お坊さんたちが入場する際、また法要の合間、そして終了するときに、ホラ貝の音が合図のように本堂の外でなっています。それを吹いているお坊さんに「ブブゼラの音のようですね。」といいましたら、なんと「全く一緒なんです。」という予期せぬ答えが返ってきました。吹き口を見せてくださり、トランペットのように口びるをふるわせて音を出す方法も教えてくださいました。ブブゼラと一緒ですとのこと。また、横で一緒に聞いていた外国の方も納得するように、うなずいていました。