2009/05/01

朝日新聞オピニオン記事「エル・システマ オーケストラ特区試しては」を読んで

2009年4月23日木曜日の朝日新聞オピニオンに、佐藤正治(KAJIMOTO顧問)氏が書かれていた記事について。
学校や家庭での殺傷事件、自殺や通り魔事件などが目立つ。(中略)犯罪加害者が音楽に早くから触れていれば、犯罪を防げたのではないか。

そこで、南米ベネズエラの経済学者ホセ・アントニオ・アブレウ博士の音楽を通じた教育システム「エル・システマ」を紹介されていた。
貧困層の子供たちに楽器が無償で提供され、(中略)今では指導する施設「ヌクレオ」が、全国に約300ヶ所、参加している子供たちとスタッフの総勢は約300万人、年間総予算は約65億円に上る。システムの頂点にあるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ(SBYO)は昨年12月、初来日して、演奏会を開いた。

なぜオーケストラなのかということについて、アブレウ博士の言葉を引用し、「忍耐、自尊心、自己表現力、協調性、コミュニケーション力を養う共同体であり、それは社会の縮図でもある」からだと言う。
このシステムを日本に導入すれば、子供たちをめぐる問題の解決に貢献できるのではないか。
試しに内閣府と地方自治体が協力して、「オーケストラ特区」をつくり、人間教育を目的とした楽器の貸与と指導を無料で実現できないか

と語り、
10年後には、子供たちの中から、日本のデゥダメルが出てくるかもしれない。

と結んでいる。
たしかに音楽には犯罪を防ぐ力があるかもしれない。人に生きるエネルギーを与えてくれるし、人々を横につなぐ力もある。ただ日本では、現在でも、すばらしいオーケストラがたくさんあるし、すばらしい音楽の演奏者や指導者もたくさんいる。しかし最近、地方自治体や企業が補助金を減らし、交響楽団は、危機存亡の局面にさらされているとのニュースを聞く。オーケストラ特区を作るよりも、彼らの活躍の場を広げられる政策の方がよいのではないかと私は考える。この経済危機の中、どのように活動の場を広がられるか、これが問題であるが、ヒントはJリーグのようなスポーツ界などに地域に根ざして成功している例が見られるが、この方向ではないかと考えている。