日時:2026年1月25日(日) 16時~19時、※24日(土)にも別のメンバーで、歌劇ルサルカがあった。
場所:豊洲シビックセンターホール 300席収容、このホールは高層ビルの5階にあり、2面は大きな窓となっていて、壁の中の仕切りをあけると、1面にはレインボーブリッジが見える景色の良いところだ。今回の公演時は舞台は幕設備で覆われていて、オペラに備えていて、また壁内部に遮蔽板があり、外部は見えない状態になっている。また内側の側壁は、ガラス面も板の面も屏風折れになっている。天井も仕上げの部分は可動の板のような気がする。多分調節ができる。舞台の高さは50cm程度であるが、観客席はかなりの勾配があって舞台がよく見える。今までの劇場とは違いさまざまな、大胆な工夫があり、デザイン的にも力強い。
写真:新建築のデータからホールの断面を見たところ
公演内容:歌劇ルサルカは3幕あり、幕間入れて約1時間となっている。あらすじは、水の妖精ルサルカが、狩に来た王子に恋をして、魔女に人間にしてもらう。ただしその条件として、声を失い、もし別れた時にはその王子と水の底に沈むという呪いをかけられる。その条件を飲んで、ある時、王子が湖に来て、ルサルカを見つけ、城に連れて帰り、結婚の宴が計画された。しかしルサルカは話ができず触ると冷たいということから、次第に遠ざけられ、隣の国の王女に心を引かれ始める。結局ルサルカは身を引き、湖に帰ってしまう。しかしルサルカへの思いを断ち切れず、湖に来てルサルカと会い、接吻によって湖の底に沈んでしまう、という悲しい恋の物語である。声を失っても表現の仕方はある、こんな結末は変だ、こんなはずはないと感じたが、もう少し引いて考えると、美しい豊かな大自然と愚かな人間との関係と考えるとなるほどと思えるようになってきた。この最後のシーンの後、年老いた水の精ワッサーマンが、ルサルカを抱きかかえて、連れて帰るところがある。これがなかなか私には理解ができず、最期まで王子と一緒にさせておけばいいのにと思ったのだが、この最後のシーンで、元の水の精に戻ったのだろう。これが豊かな大自然というものだと言うことだろう。さらにルサルカが、結婚をあきらめ、湖に戻って、魔女にあって、水の精に戻りたいとうと、王子をこの短剣で刺し、その血があれば、水の精に戻してあげると。ルサルカは王子への思いを捨てきれず、その短剣を捨ててしまう。結局人間への思いがあり、愚かな人間にも共感している。切ない恋の物語と読める。美しい豊かな自然と愚かな、しかし愛しい人間がテーマとなっているので、少し影響を受けているのはダーウインの進化論かもしれない。ダーウインが進化論を唱えたのは1850年、ドヴォルザークは1841~1904の人だが、歌劇ルサルカの作曲は1900年、初演は1901年、ダーウインの種の起源の後になり、影響を受けている可能性がある。
またこの大自然をテーマにしているのは、現在の世の中で、地球温暖化が影響し、愚かな人間の活動が地球環境に大きく影響を与えていることがわかり、対応が求められている状態である。この歌劇ルサルカもその観点からも注目されてくるのはよく理解できる。
歌劇ルサルカはチェコ語で、日本では上演回数が少ないようだ。歌手たちはチェコ語で歌い、日本語の翻訳が後壁に映写される。歌手たちの声は、素晴らしい声だった。ルサルカを演じている根津さん、魔女を演じている末広さん、王子を演じている濱田さん、外国の王女を演じている鳥居さん、ワッサーマンを演じている追分さん、それぞれ力強く、素晴らしかった。ドヴォルザークはチェコで生まれたようだが、作詞家はどなただろう。結局チェコ語で書かれたようだが、歌手たちはチェコ語を苦労して覚えたようだ。ただこのテーマは大自然なので、今後大きく影響すると思う。
写真:オペラが始まる前に撮影した。劇場周囲が撮影できなかった。