友人に誘われて8月22日(土)にミューザ川崎シンフォニーホールに伺った。曲目はラフマニノフ作曲の「交響曲第3番」、ストラヴィンスキーの「火の鳥(1910年版)」の2曲。
ラフマニノフの「交響曲第3番」(1936年作曲)はあまり演奏されてはいないようだが、曲は全部で3楽章しかなく、また演奏が難しそうで、しかもここかしこに華やかな部分があり、演奏者が演奏を楽しめるところがある。ハープが3台もあり、またトランペットなどはオーケストラとは離れた位置にある上部のパイプオルガンの近くで演奏するなどがあった。ストラヴィンスキーの「火の鳥」はバレエ音楽で、物語を感じ、そこかしこに見せ場がある音楽だった。楽団員の数は数えてはいないが、ハープ3台、チェレスタ(金属板を、ピアノのように鍵盤を使ってたたく楽器)、さまざまな管楽器など100名近い人数だった。オーケストラ・タヴァーイはアマチュアのオーケストラだが、2曲とも華やかなところがあり、アマチュア楽団にはふさわしい曲目と思う。オーケストラ・タヴァーイのタヴァーイはロシア語でGOに近い意味だそうで、スラブ系の音楽を中心に演奏しているようだ。ただ、いまはロシアによるウクライナ侵攻があり、どうしてもフィルターがかかってしまいそうだ。厄介な時代になってしまった。
ミューザ川崎はヴィニヤードタイプのホールで、いくつかのヴィニヤードタイプのホールの中でも、音響的に、いろいろ改良されているようだ。まず1階席はサントリーホールの様には広くなく、小さく壁に囲まれていて、1階席は初期反射音が万遍なく得られやすいようになっている。また2階席以上の席も初期反射音が得やすいような位置に壁がある。しかも客席が全体的にらせん状になっており、演奏者が移動しやすい状態があり、演出しやすい効果もある。残念ながら2011年の東日本大震災の時に、ミューザ川崎の天井が落下してしまった。人が一人パイプオルガンの練習をしていたが幸い無事だった。永田先生が今は天井をどう設置するかが一番問題だとおっしゃっていたが、その後、建築基準法施行令で『特定天井』という法律が平成25年(2013)にできて、吊り天井で、高さが6mかつ天井面積が200m2以上のホールは補強をする必要となった。