毎年10月初めに行われている地元荏田町の剣神社秋の例大祭、お神輿(荏田では子供神輿)も新型コロナの影響で中止になってしまいました。やはりこの時期にこのお祭りの音を聞けないと寂しい気がします。例年のお祭りは、関係者が集まって、宵宮(前夜祭)があって、仮設舞台で祭囃子を演奏し、翌日朝から荏田の町を地区ごとに、子供たちを集めて神輿を担いでいる後ろから、お囃子を演奏しながら回ります。老人施設ではお囃子のグループが回ってくるのを入り口広場で待ってくれていて、お囃子や「ひょっとこ」や「おかめ」などの面踊りを披露します。荏田の町をほぼ全域回ると、ここがわが町という印象になります。
若林忠宏 著 『日本の伝統楽器 知られざるルーツとその魅力』という本(p.254)を読んでいましたら、「祭り囃子以外の日本音楽にビート感がない理由は?」という章に(主題の内容ではないのですが)、
「なぜ『祭り囃子』には、例外的に『テンポ感・ビート感』が持続するのか。それは、その源流にシャーマニズムがあるからに他なりません。」
と書かれていました。
著者が世界の各地のリズムを紹介している中で、日本の祭り囃子のリズムは以下のように書かれています。実際に、荏田町のお囃子もこのようなリズムです。
お囃子(本では祭り囃子)の練習で先生が太鼓を打っている時に、たまたま親に連れられて来ていた5~6歳の子供が練習用のタイヤを叩いていると、次第に乗ってきて踊りだす勢いでタイヤを叩き始めて驚いたことがあります。
祭り囃子の「源流にはシャーマニズムがある」とされているように、たしかに体のリズムを活性化させるような不思議な力があります。祭囃子は持続する太鼓のリズムと感情を表現する篠笛と相まって祭りが盛り上がってくる原動力となります。今年はそのチャンスがないのは大変寂しいですが、コロナに負けず元気を出さねばいけません。来年のために練習を続けようと思います。