2009/08/11

木造芝居小屋の音響調査、ポーラ伝統文化振興財団から助成決定

昨年度に引き続き、今年も木造芝居小屋の音響調査に関して、ポーラ伝統文化振興財団より、助成をいただけることとなりました。大変感謝する次第です。
この木造芝居小屋の音響調査は、木造劇場研究会(代表 建築家山﨑泰孝氏)が主体となり、弊社はこの音響調査を担当しております。
音響調査は、全国芝居小屋会議と神奈川大学建築学科寺尾研究室と共同で行っており、一昨年は、岐阜県にある白雲座、常盤座、明治座、鳳凰座を、昨年は香川県 琴平の金丸座、愛媛県の内子座、福岡県飯塚市にある嘉穂劇場、熊本県の八千代座、兵庫県豊岡市出石の永楽館の音響測定を行いました。
今年は、秋田県小坂町の康楽館、福島県福島市の旧広瀬座、群馬県みどり市のながめ余興場、岐阜県の村国座、相生座、愛知県の犬山市の明治村にある呉服(くれは)座の調査を行う予定です。
調査の目的は、日本の伝統芸能を育ててきた江戸歌舞伎様式の木造芝居小屋を、音響的な観点から研究することで、邦楽に好ましい音響空間を検討することです。
検討の方法は、残響時間などの物理的音響データの比較と、現場で分析した客席空間のインパルス応答と無響室録音のデータとを畳み込んで音響シミュレーションを行い、聴感で評価する方法となります。
比較の対象としては、クラシック音楽に好ましいとされているホールと、邦楽を主に行っているホールとの比較、また昨年までの調査により、芝居小屋は、室容積と最適残響時間という関係から、講堂や会議室として好ましい音響空間であることが分かったため、講堂も調査対象として予定しています。すでにこれまでに、横浜ふね劇場、つくばの古民家の和室、神奈川大学講堂のセレストホールの調査を行いました。特に、邦楽は残響の少ない空間で育ち、クラシック音楽は残響のある空間で育ったということから、それぞれの音楽の演奏方法や表現方法が、それらの空間と関係していると考え、そこに焦点を当てて、考古学的に研究をしてみようと考えています。