五大路子ひとり芝居 横浜ローザ
企画・出演:五大路子
演出:福島三郎
演奏:バイオリン 太田惠資、奥別ゲスト:フルート 杉山葉子
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(客席数220席、ロールバックチェア)、天井が高い。
開演:2026年8月13日(木)2時から4時、公演そのものはは8/13~8/16の4回。
物語は、戴いた横浜ローザ年表に詳しくあるが、話の筋は横浜ローザの人生そのもので、大変複雑だ。戦後すぐ夫は戦犯で沖縄に収監、横浜から夫が出航した時米兵から強姦され、その後、娼婦となる。さらにその後、米兵と会い、結婚するような話が出るが、彼は朝鮮戦争で亡くなる。夫は刑が終わり返ってくるが、殴られてそのまま分かれる。東京オリンピックの時に、かつての米兵と、うり二つの若者がいて、彼の実の息子だと分かった。結婚しようとしていた米兵は既婚者だった。しかしその現実はあったが、それを押して母親代わりになるが、ベトナム戦争があり、脱走兵として、資金をだし、彼を国外へ逃亡させる。そこで彼とは別れたままになってしまう。横浜ローザの人生の節々で、戦争に振り回されたことがわかる。昭和天皇がなくなり、皇居に手記帳しようとするが、本名が書けない。今までの人生を否定的にとらえて考えてのことだろう。舞台を見ていて、反戦を訴えている演劇だと感じる。そういえば今日8月15日は終戦記念日だ。
ただ劇団の名前は横浜夢座だし、五大路子さんは前向きな感じだし、物語として横浜ローザを否定的にとらえるのではなく、徹底的に横浜ローザになりきって、華やかな娼婦という物語を進める方が、娼婦という否定的な存在を前面に押し出し、観客に戦争のむごたらしさを感じさせることができるのではないか。昭和天皇崩御のときの記帳も横浜ローザとすべきだと感じた。その名前でこれまで仕方無く生きてきたのだから。この演劇は横浜ローザの人生そのものを表現した、いろいろ感じさせる、重い、いい演劇だと感じた。
バイオリンの演奏もフルートの演奏も物語とあっていて大変よかった。しかもバイオリンの音もフルートの音もきれいに聞こえた。
少し大空間のために、少し残響があり、声の明瞭性が少し欠けるような気がする。天井が高く、直接音を補強する初期反射音が少ないためではないかと思う。