2030/01/01
2025/06/25
第27回青葉区郷土芸能まつり
日時:2025年6月22日(日)13:00~15:30ごろ
場所:青葉区公会堂
プログラム:チラシに示した。
出演は主に青葉区のお囃子や神楽のグループの公演と思っていたが、一番迫力があったのは、横浜都築太鼓で、次に迫力があったのは元石川高校ダンス部のブレイクダンスで、かわいらしかったのは子供囃子だった。しかも都築太鼓は、オープニングで桶太鼓を、中休み明けに獅子舞を、最期に和太鼓演奏を3曲か4曲も演奏していた。それに比べると、お囃子の公演は非常に淡々としていて、番組の日本昔話に出てくるようなゆっくりとした動きだった。ただ横浜都築太鼓や元石川高校のダンス部の活動とお囃子のグループとの目的の違いが大きすぎる気がする。都築太鼓や元石川高校ダンス部の活動は見て聞いて楽しむためのイベントとしての感じを求めているように思う。これに対してお囃子のグループの活動は、多くの人が参加して、自然に対して五穀豊穣を祈る活動で、その活動を通して、多くの人が参加できる内容になっていると思う。平川囃子保存会、下恩田囃子保存会、荏子田囃子連、下谷本杉山神社保存会の公演もこのような観点からはレベルの高いものだった。実は私も約4年前の脳梗塞までは荏田のお囃子グループにいて活動をしていた。下谷本杉山神社保存会の公演は創作踊りというもので、何か物語があるのだが、魚釣りの話で、最期には鯛を釣って奉納するような話が出てくる、目出度い(めで鯛)話だが、このあたり、青葉区あたりだと鶴見川・早淵川や恩田川には鯛は居ない。同じような大きさの魚としては錦鯉かもしれないが、いつも同じ場所で泳いでいて、眺めるのには大変いいのだが、釣ってほしくない魚だ。郷土芸能というよりは、えびす様の様なめでたい話のある、どこかの郷土芸能を持ってきた感じだ。
郷土芸能の範疇になるのか、よさこい節とか阿波踊りなどは、見ても楽しく、やって楽しき感じで、どちらかといえば都築太鼓の雰囲気に近いものかもしれない。
郷土というか地域の人々をつなげるための活動として、お囃子や神楽は重要な役割があると感じる。今回の郷土芸能まつりには、同じグループが何回か出場しているが、本来はこの10倍以上のグループが地域には活動しているはずなので、この公会堂で、朝から晩まで公演があってもいいくらいだと思う。今後期待されるところだ。
2025/06/23
映画 The Spirit of Yokohamaを見た。
日時:2025年6月20日(金)13:45から5時ごろまで
場所:映画館Jack and Betty 伊勢佐木モール近くの若葉町、私は市営地下鉄の阪東橋から歩いて行った。
映画の内容:もと三菱重工横浜造船所にいた杉島和三郎が語り部となって、関東大震災や第二次世界大戦で焼け野原になった横浜を復興させてきたこと、昔あった造船所のこと、グランドホテル、元町商店会のこと、朝のラジオ体操の会、山下埠頭に〇〇があったらいいねプロジェクトや、CoroColo居場所づくりよりどころや、横浜ボートシアター、サンバサウラージの活動、サーフィンボードで運河をめぐる濱橋会、様々な機会を作って人と人を繋ぐことをしていると言うことをテーマにしているようだ。最後はこの杉島さんがかつて三菱重工横浜造船所だったところが、ランドマークタワーなどのビル群になっているのを見ながら、「随分変わった」と感慨深げにいうところでこの映画が終わる。この時のエンディングの曲が横浜ボートシアターの松本さんの曲だとのこと。きっといい方向に向かって変わっているのだろう。私にとっても、かつての三菱重工横浜造船所は、相模原南部清掃工場の設計のときに、私は防音対策を担当し、何度も打ち合わせに行ったところでよく覚えている。場違いのようなレンガ倉庫もあった。その敷地が現在はランドマークタワーや横浜パシフィックホテルやレンガ倉庫というレジャー施設に変わっている。この映画にはなかったが私が小学生の時に来た山下公園は公園と呼ぶにはさみしいものだった。しかし今は立派に木々が育ち、草花も美しく咲いている。しかしできた当初は関東大震災で生じたがれきを埋め立てて造ったようだ。この映画の中に、最初の木造の艀で出来た横浜ボートシアターのこと、のち住民運動によってできた鋼鉄製の艀による劇場も紹介されていた。映画の後、横浜ボートシアターの3名と以前この船劇場でジャズの演奏をしたジャズピアニストの遠藤津子さんとの対談があった。遠藤さんが強くいったのは、この船劇場はジャズの生演奏が心地よく響くというものだった。たしかに一般的に考えるとこのあまり見たことのない空間がいい響きを持つというのは不思議なことだ。私も音響の立場から言えば、この船劇場は、演劇に対しては明瞭に伝達でき、またバックの音楽にも心地よい響きを持ったものになっている。たしかにこの船劇場の最初は側壁に幕が張られていた。この場合には演劇は明瞭に伝達できるが、音楽については残響が短すぎる可能性があった。現在の状態が演劇にも音楽にも好ましい空間として最適と思う。ただこの船劇場の天井を倍ぐらいに高くすることができれば、演劇に対しては不向きになるが、クラッシック音楽には好ましい響きが得られると考えられる。この艀には様々な可能性がある。この対談の中には横浜ボートシアターのかつての代表 遠藤啄郎が取り入れたガムランの話はこの映画にはなかったが、ガムランも現在の船劇場で好ましい響きが得られると思う。聞いてみたいものだ。最後は横浜ボートシアターの3名がこの映画のエンディングの曲に歌詞を付けて歌った。感動したが、実はこの映画館の空間は音響的にデッドのために歌を唄うのはきっと大変だったと思う。
約1か月前に船劇場で、「泥の河」という映画を上映した。その時のブログを以下に示した。http://yab-onkyo.blogspot.com/2025/05/blog-post_18.html
2025/06/18
ジャワの影絵芝居ワヤンとガムランの公演 アマルト国の祭典 マハーバーラタより
日時:2025年6月15日(日)14:00開演、終演は17:30ごろ
ただし14日(土)の17:30にも公演があった。
場所:日暮里サニーホール
出演:ダラン(人形遣い)ローフィット・イブラヒム
演奏:ガムラングループ・ランバサリ、解説:森重行敏
この公演はランバサリに参加している大田さんからの紹介で行くことが出来た。私の隣の席には大田さんの娘さんとその友達も参加していた。今回は全てを通して、影絵芝居のワヤンが物語を話し、ガムランが歌を伴って演奏する形だ。ジャワではこのような物語を夜どうしで、広場でワヤンとガムランを公演するようだ。
影絵芝居ワヤンの物語は、どうもインドのマハーバーラタから影響を受けてできた物語のようだ。ある国の国王は征服欲が強く、暴君で、他の国の国王100名をとらえて来いと家来にいう。何名かとらえられたのち、ある時アマルト国やそのほかの国の人々が、この暴君に立ち向かう。まず暴君に危険を知らせる、暴君の父の皮から作った太鼓を弓でいる。暴君は倒れても倒れても立ち上がることができるが、暴君にある秘密、赤と青の体が合体してできているのをあかされ、それを引き裂くことによって倒すことが出来た。暴君が滅び、そのことでアマル国のお祭りが出来たという物語だ。この物語を多分金属製※の美しい模様の入った板で影絵を作り、物語の合間には家のような形のグヌンガンが通っていく。さらに三名の歌手や、ガムランの音楽が盛り立てる。日本で言えば少し似ているのは人形浄瑠璃の世界かもしれない。赤と青で出来ている体を二つに割いて殺すなどは人形だからできることで、このことは人形浄瑠璃と似ている。また青と赤の二つの体で出来ているのは、雅楽が赤い服のグループと青い服を着ているグループが現れてくることも少し似ている。雅楽の場合には赤は中国、青は朝鮮から渡ってきた文化を表しているようだ。しかしこの場合には、お互いが協調しあっているように感じる。インドネシアは、何百もの島で出来ているので、一つにまとまるときに、このような話が出来たのかもしれない。
人形遣いは一人で行うが、バックを支えるガムランは、歌手が三名と多くの演奏者で支えている。一番大きな音を出しているのは、青銅製の鉄琴のような楽器で、図(ダルマ・ブダヤのホームページ)のように何種類かあるようだ。木槌※のようなものでたんたんとたたく場合とどしゃぶりのように激しくたたく場合がある。さらになり続けないように、手の指で振動を抑えながらたたいている。また隣の楽器と唸りを生じている。多少音律をずらしているようだ。次に青銅製のお椀の蓋のような楽器※も木槌※のようなもので叩かれる。これもたくさんのお椀の楽器※が並んであるので、音階からできているはずだ。しかもいくつかの種類が大きさによって違っていて高音部・低音部などありそうだ。大田さんは木琴を木槌※で叩く。これは柔らかないい音がする。かなりの人が正座をして楽器をたたいている。これは多分正式なたたきたなんだろう。銅鑼もある。いくつもの大きさの違う銅鑼が並んで、これは唸りを伴ってなっている。またたくさんの楽器のテンポなどを変えるのは太鼓の合図で変えているようだ。ガムランは単独でも成り立つ音楽かもしれないが、このように影絵のワヤンと合わさって、物語が出来ているように思える。ちょうど人形浄瑠璃や雅楽や京劇やオペラのような感じである。もう少し小規模に考えると神楽もそれにあたるかもしれない。しかもワヤンの演奏者は日本語で話をしてくれていたのでわかりやすかった。しかも雑談も含めて話をしていた。オペラの場合には例えばイタリア語で歌うが、字幕で内容を補強しているが、このように即興で言葉が出てくる場合には、字幕ではそのような対応が出来ない。かなり楽しめた。横浜ボートシアターの演劇もこのガムラン音楽を取り入れている。気持ちがわかるような気がした。
※大田さんより以下のような指摘がありました。
・ワヤン人形は、水牛の皮でできています。硬いですけど。丁寧に穴をあけて美しく彩色してあります。
・お椀の楽器はボナンといいますが、木槌ではなく、紐を巻いた棒状のバチで叩いてます。
・同じく木琴も、布を巻いた円盤のついたバチで叩いています。このあたりも音色の違いに関係してます。
ダルマ・ブダヤのホームページより引用